複雑・ファジー小説

Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.66 )
日時: 2012/07/14 14:43
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)



+38+


店長は優しい人だ。この人ともしも最初に出会っていて、そして、卓と会わなければ幸せだったのかな。普通の女の子みたいに、デートしたり料理作ってあげたり、愛のある行為とか、色々したのだろうか。そう思うと、なんだか胸が苦しい。
私、幸せが良かったのかな。卓のことが、嫌いだった?違うよな。あの頃は確かに幸せだったんだ。卓のことを考えるだけで、呼吸困難になってしまいそうになほど。そう思うと何だか申し訳ない。
卓が今、不安定になっているのは多分、私のせいだし。

「店長って、彼女居るんですか?」

失礼かな、とかそういうことは全く考えなかった。店長なら、私のどんなことでも許してくれそうだから。彼の笑顔は全てを包みそうだ。
そして、すべて、消してしまいそう。

「……居ないよ」

店長の櫛の手が止まる。そんな彼は初めて見る。初めて感じる。不安そうで、なんだか悪いところに触れてしまったようだ。店長に、悪いところなんてあったんだ。てっきり、店長には触れて欲しくないところは無いのかと、思っていた。
どうやら、そうではなくて。

「……好きな人は、居た。片思いで終わったけど」

1つだけ、ものすごく深い物が、あるようだ。