複雑・ファジー小説

Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.74 )
日時: 2012/07/25 16:21
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)



+45+


「今夜は一緒に居てください」

なんだか、よからぬことを頼んで居るような気分になる。
絶対、店長はそういう風には取らないだろうけど。
今、一人になったら壊れてしまいそうだった。

「うん、分かった」

店長は、何も聞いてこない。私たちの事を何も聞いてこない。それが何だか恐かった。
店長は、私のことを、孤独のことを、なんでか全部知っているようで。そんなはずないのに。だからこそ、遠慮なく弱みを見せられる。

「……明日、一緒に買い物行きませんか」

それに私はただ縋っているだけ。自分の居場所にしたいだけ。でも、店長は私の居場所にはなってくれない。私の居場所は、孤独だから。そして、孤独の居場所も私だけ。
孤独に会いたい。会って、謝りたい。できれば、私たちの関係を切ってしまいたい。
そうしたら、私の居場所も無くなるけど、でも、孤独が私の側に居たら絶対毒だから。
孤独がぐずっても、私は孤独にもっと自由になってもらいたい。

私は勝手にそう決めつけて、目を閉じた。