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複雑・ファジー小説
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.75 )
- 日時: 2012/07/26 16:01
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)
+46+
夢を見た。先輩がいる夢。夢見ちゃった。夢に先輩いるってことは、アッチは夢じゃない。俺が先輩を困らせたのは、夢じゃない。最悪だ。
お小遣い稼ぎのために始めたバイト。
店長の柔らかい笑顔とかで、いい職場なんだろうなって思った。ちょっとしたミスも店長は許してくれて、すぐに打ち解ける事ができた。
そうして、先輩。
先輩はあんまり笑わないけど、時々ご機嫌な時があって、そんなときは俺があいさつすると返してくれる。
ある日、俺は問いかけた。
少しずつ先輩への思いに気付いてきたときの話。
「先輩って彼氏いるんですか」
分かった。この夢は、昔の記憶だ。俺が、すべてが見えなくなった日のことだ。
そして、先輩が何て答えたのか、俺は今でも鮮明に覚えている。
あの日は小雨が降っていた、ちょっと蒸し暑い日のことだった。
先輩は幸せそうに笑って。そして。
「×××」
ねえ、聞いてよねーちゃん。
バイト先にさあ、好きな人ができたんだよ。いつも首になんか絞めたような跡がある人。うん。ちょっと髪染めてて。そんでそんでね、あんまり笑わないけど、笑うとすっげー可愛いの。なんていうの?守ってやりたくなるっていうか。
それでさあ、それでさあ。
その人、彼氏が——————。
俺、どうしたらいい?
教えて、ねーちゃん。
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