PR
複雑・ファジー小説
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.85 )
- 日時: 2012/08/03 13:34
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)
+51+
「じゃあ、彼に会うんで失礼しまーす」
戸口さんが携帯を片手に幸せそうな顔をして、出て行った。私もロッカールームに向かう。
疲れた。今日は何だかすごく疲れた。考え事してたからかな。
「桐、早めにな」
そういえば、買い物に行く約束をしていた。すっかり、というほどでも無いけど、忘れていた。
私は頷いて、どこに行こうか考えた。
やっぱりあそこかな。
孤独が私の物になりたいって言ったから、首輪を買ってあげた。
初め。始まり。私と孤独の、変な関係の、始まり。そこへまた足を運んで、首輪を買いに行こう。孤独に似合う、真っ黒い奴を。安くも高くも無い、私の中の孤独のような物を。
でも、少し高いのを買おうか。
そうして、与えて、さよならを言おう。
これでいいでしょ、これで終わりにしよう。全部、忘れよう。孤独は、私のために壊れる必要はない。いつかの卓巳のように、私も孤独を解放してあげよう。
卓巳に捨てられて、解放されて、私は少なくとも目が覚めたから。
孤独はそれを望んでないだろうけど、孤独が望む私は、それを望むから。
それで良いでしょう。
PR