複雑・ファジー小説

第一話 There is no future part1 ( No.3 )
日時: 2012/07/19 21:53
名前: 秋山レキ (ID: YCTThtwh)

ピピピピピピピッ
目覚まし時計の音で俺は目が覚める。
時計を見てみると6時半になっていて、昨日の夜にかけた時間どうりに動いていた。
俺はテーブルへと向かい、何故か用意されていたトーストを食べる。
ああ、平和で普通のいつも通りな朝。
しかし一つだけいつもとは違うことがあった。
それは、
「どう霧夜。私が焼いた食パン美味しい?」
この家に俺の許嫁がいるということだ。
「……ただパンを焼いただけだろ。味はかわんねぇよ」
「霧夜、ひどい。せっかく早起きして作ったのに」
目の前に座った俺の許嫁、若月香夜(わかつきかや)は、俺のことを悲しい目で見てくる。
「んで、いったい何時に起きたんだよ」
「6時25分」
「俺の五分前じゃねえか!」
まさかの答えに俺は思わず全力で突っ込んでしまう。
「私にしては早起きなの」
「んで、いつもは何時に起きてんだよ」
少しの期待と不安を込め、俺は聞いた。
「6時35分」
「俺の五分後じゃねえか!」
やっぱりという気持ちと、なんかちょっとした漫才をしたような感覚がしてしまう俺であった。

まったく、何でこんな事になったのか。
それは一昨日の夜から始まった。