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複雑・ファジー小説
- 第二話 Your world was born part4 ( No.10 )
- 日時: 2012/09/05 21:29
- 名前: 秋山レキ (ID: pvHn5xI8)
目の前で行われたことが飲み込めず、ふと香夜のほうを見る。
しかし、冷や汗を垂らし、その場で立ち尽くしている。
おそらく、香夜もこの状況が読み込めていないのであろう。
「あらあら。十二星座候補の一人がこのようなことで焦っていては、誰一人殺せなくってよ?」
「吸血鬼……。あんた何時の間に、使用者を見つけたの?それに、その能力はいったい……?」
「今日のうちに使用者を見つけたのは、貴女だけではなくてよ?そして、この能力は二重人格(ダブルコマンド)。私の武器は新たな心を増やす能力なのよ」
「そんな……そんなこと、出来るわけ」
「———それが、出来ちゃうんだよなぁ」
先ほどまでとは打って変わり、乱暴的な口調で言った。
しかし、暴力的なタキシードの少年にはならず、顔も服装も先ほどの少女と変わっていない。
「さあ!さあ、さあ、さあ!お前たちの能力も見せろよ!早くしねぇと、俺たちから行くぜ!」
そう言い、吸血鬼は再び自分がいるビルから、俺たちがいるビルへと飛び移ってくる。
「霧夜!今から私が言うことを繰り返して!」
「え、おう」
「行くよ!アンリミテッド———」
コーン、コーン
そこまで香夜が言ったそのとき、遠くのほうで鐘が鳴る音が聞こえた。
「ちっ、今日は帰るか。今度会うときは、しっかりライドを出来るようにさせとけよ。———バックコネクション」
すると、吸血鬼の前に大きな光———俺がここに来たのと同じ光だ———が現れ、その中へと入っていく。
「じゃあ、私たちも帰ろうか?霧夜」
「ああ、早く帰ろう」
「行くよ。バックコネクション」
すると、俺と同じ———いや、俺より少し大きな位の光が現れ、香夜に手を引っ張られながら、中へと入っていく。
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