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複雑・ファジー小説
- Re: トワイライト ( No.5 )
- 日時: 2012/06/24 19:46
- 名前: ゆな. ◆7.uwki1uEg (ID: Iuplt48K)
【第一話】
朝6時30分。僕——早乙女 空汰の朝は意外と早い。枕元にある目覚まし時計を煩くなる前に止め、ゆっくりとベッドから立つ。薄緑のカーテンを開けると、春らしい日差しが優しく差し込んできた。僕はひとつ欠伸をし、着替えるためクローゼットを開ける。まだ新調したばかりのきらきらぴっかぴかの制服。今日から3年間、ずっと世話になるんだ。よろしくな、僕の制服。
今日は僕が通う高校の入学式。9時体育館と連絡があったのにも関わらずこんな時間に起きてしまった。今から3時間ちょっと暇だ。何をして過ごそう。まず顔をあらって朝飯を食べて歯を磨いて…その後はどうしようか。髪を整えたり、携帯をいじったり。まあぼちぼち時間を過ごしていようか。
青チェックのパジャマから黒に近い紺色の制服に着替え終えた僕は、顔を洗おうと階段を降りる。だが階段に行くまでに、2回も躓いてしまった。自分でも驚くほど浮かれているのだ。今日から始まる新しい日常に。そりゃあ不安だ。けれども、それより期待の方が上回る。まあ勉学は別として。
それに、楽しみなのだ。最近引っ越してきた、"お隣さん"も同じ高校と聞き、さらに足が軽くなる。予備登校の日に発表されたクラスの所には、僕とその子と、さらに幼馴染2人が揃う、素晴らしい1-Cだった。
やっとの思いで洗面所につき、顔を洗う。時計を見ると、まだ45分だった。冷たい水でしゃきっと目を覚まし、リビングへと向かう。
何が起こるか、僕にもまだ分からない。非日常に飛び込んでもいい。その方が、日々楽しくなるかもしれないから。恋愛沙汰なんて今まで無関心だったが、彼女との同じクラスとしての生活も楽しみだ。
鳥のさえずりと一緒に、自分の鼓動が聞こえる。
ああ、本当に楽しみだ。
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