複雑・ファジー小説
- Re: トワイライト【コメ求む!】 ( No.7 )
- 日時: 2012/06/24 20:21
- 名前: ゆな. ◆7.uwki1uEg (ID: Iuplt48K)
【第二話】
その後だらだらと時間を過ごし、8時45分。僕達が通う学校は、家から徒歩15分で着く。別に自転車で行ってもいいのだが、ここは案の定学校までの景色を楽しむ。
「いってきまーす」
指定鞄を肩にさげ、ドアを開ける。春風が頬を撫でる。くすぐったい。家の前の公園の桜の木は、満開とまでは言えないが、ゆっくりとたくさん花をつけていっている。このペースでいくと、後一週間ぐらいで満開だろうか。そう考えていると階段を踏み外してしまった。
「…っぶね」
高校生にもなって僕は何をしてるんだか。少し気を締めないと交通事故に遭いそうだ。——…冗談じゃない、入学式当日にご臨終とか僕はいやだ。誰にも見られてないか、と左を見る。おっけー誰もいない。右を見ると…
「お、おはよう、早乙女さん」
目の前には、クスクス笑っているツインテールの少女が居た。
————まじかおい!!!
彼女の名前は藤崎 妃。さっきまで僕が言っていた、"例の彼女"だ。もしかしてさっきの踏み外したの見られてたか!?あんっな恥ずかしい光景を!?こっ恥ずかしい光景をか!?僕は今なら死ねる!穴に入れる!凄い勢いで入れるぞ!
「おおおおはよう藤崎さん!きょきょきょ今日もいい天気ですですネ!」
驚きと興奮と…色々な感情が混ざるあまり凄い日本語と声になってしまった。ああもう、何なんだ今日は。僕は、今の自分の表情が安易にわかる。ひきつる笑顔に綺麗なほどの赤面。真っ赤だぞきっと。
「…そうだね。そして今日も早乙女さんは面白いね」
あははは!!!面白いだってさ!!今日"も"って言ったぞ!僕いつもこんなか!!??
「そ、うかな」
「うん、そうだよ」
一言二言交わす。そして沈黙。こんなんじゃ駄目だよな。て言うかこの雰囲気(?)で一緒に登校してしまおうか。よし、思い切って…
「…よかったら、一緒にいかない?」
…あれ?僕まだ言ってないぞ?
もしかして今、藤崎さんが言ったか?
「…いやなら、いいんだけれど」
自信なさげに彼女が言う。やっぱりさっきの言葉は彼女が言ったことだったのか。浮かれるあまり空耳かと思った。…とそれより!
「い、行くよ行きます行かせてください!」
僕だってそう言おうと思ったんだ。断るわけないと捲し立てる。入学式に2人で登校…もうこれ以上の奇跡はないかもしれないんだ。このチャンスを逃したらもうないだろう。
「じゃあ、行こっか」
————ああ、幸せだ。踏み外したけど。
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