複雑・ファジー小説

Re: トワイライト【コメ求む!】 ( No.12 )
日時: 2012/06/29 18:13
名前: ゆな. ◆7.uwki1uEg (ID: hgnE84jl)


【第三話】


学校に着くまで、僕らは色んな事を話し、色んな景色を見た。彼女——藤崎さんは、大人しそうな見た目に合わず、良く喋った。中学校での生活や前住んでいた町について。そして僕が思ったことは、彼女は表情豊かだと言うことだ。楽しいことは素直に笑って、悲しいことは素直に悲しんで、悔しいことは素直に怒って。見てると楽しいのだ。そして可愛い。一緒に居ると、僕も自然に笑顔になれた。そして自然に、呼び名は早乙女さんから早乙女君になった。これでも一歩前進なのだ。
そして高校へ行くまでの風景は、斬新と言うか、何と言うか…交番の隣にコンビニとバーがあって、何となく笑えたり、公園の滑り台が変な形をしてたり…生まれてからこの町に住んでいるのに知らなかった場所をたくさん知れた。

しかし、それが墓穴となった。



-



「…早乙女君、今時計持ってる?」
「…ごめん、持ってない」
「そっか…」

案の定、迷ったのだ。
前に学校までの道も調べといた!そして一度登校の練習をしといたのだ!そうでもしないと、僕は迷ってしまうこと間違いなしだからだ。僕は驚くほどの方向音痴で、実は今日も無事つくか不安だったのだ。けれど今思えば悠々と45分に家を出てしまい…そして藤崎さんも方向音痴だったのだ。

「あっ、公園!時計、あるかも!」

そう言って元気よくかけていった藤崎さんは、しばらくしてとぼとぼと帰ってきた。

「…9時、6分だった」

なるほどそう言う事か。集合時間を6分遅れている。…これはさすがに、入学当日としてやばいだろう。
だが走って行くにしても、ここがどこだか分からない。右に行くのか?いやそれとも左か?ああもう、さっき通った公園、どっち方向だったっけ………ん?公園?

「…藤崎さん、この公園見覚えない?」
「んー?…そういえばある、変な形の滑り台」
「と、言うことは…」

「わたし達、同じ場所に戻ってきたの?」

可愛い顔して、首をかしげて尋ねる藤崎さん。ちょ、そのポーズ反則。そして正解。

「…でも俺、練習した時こんな場所通らなかったし」
「じゃあどっち行けばいいの?」
「…………こう言うときは右で」

そう言って右に行くと、目の前に目的の学校があった。なぜこんな近いのに分からなかったんだ?練習した時は15分かかったが…ここだと家から10分もかからないぞ?なぜだ?
だが考えている暇はない。集合時間はもうとっくに過ぎているのだ。僕と藤崎さんはダッシュで体育館に行き、仲良く担任の先生と名乗る人に怒られたのだ。