複雑・ファジー小説

Re: トワイライト・ソング【タイトル変更】 ( No.13 )
日時: 2012/06/29 18:43
名前: ゆな. ◆7.uwki1uEg (ID: hgnE84jl)



【第四話】



1、2時間経って、ようやく入学式が終わった。ずっと椅子に座ってたからか、お尻が痛い。そして自称担任にぐりぐりされたこめかみが痛い。お尻より痛い。それは藤崎さんも一緒で、丁度後ろに座っていた彼女が唸っているのが気になって後ろを見たら、こめかみをおさえていた。気の毒に、僕達。
入学式が終わったら一度教室内に入ると言う。 予備登校の日は、クラス発表の後体育館に行って話を聞いただけなので、初校舎内だ。そして初めて、1-Cが単独で揃う。今日の内に全員の顔は覚えておきたい。名前は無理だとしてもな。
そう考えぼーっと立っていると、幼馴染の須藤 祐樹が寄ってきた。彼は中々のイケメンだ。ただ、性格がちょっとどSで、モテはしていない。何も知らない女子には告られるところは何度か見たことはあるが、その女子は戻ってきた後必ず泣いている。それはフラれたとかそういう涙じゃなく、どS祐樹にいじられて泣いたのだろう。本当に気の毒だ。今の僕達と同じだ。だがそんな祐樹と一番気が合う僕は、いたって普通だ、安心してほしい。

「よっ、空汰。相変わらずのブサメンだな」
「おう。お前は相変わらずの毒舌だな。て言うかブサメンて言うことはなから知ってるよ」
「はいはいおっけー。とりあえず教室行こうぜ」
「うん」

そして祐樹と一緒に体育館を出る…直前に後ろを振り向いた。藤崎さんはどうしたか確かめるためだ。だが彼女の姿はなく、きっと先に行ったのだろう。良かった。
僕は安心して前を向きなおす。教室と言う、新しい生活場所に向かうために。



-



「…おい、なんでだよ」

僕が教室に入って一番最初に放った言葉だ。本当になんでだよ。

「んー?おっひさー空汰!席借りてるよー!後見て!あたしの可愛い友達ーっ!」

テンションMAXで僕に話しかけたのは、もうひとりの幼馴染の篠田 未来だ。こいつはとりあえず煩い。何事にもいちいち文句をつけてくる。そして気が強く、好きになった男には積極的に話しかける。いわゆるおませさんだ。
そして何と言うことだ。未来の友達と言うのが…

「あ、早乙女君。さっきぶり!」

藤崎さんだったのだ。

「えっ、何々ふたり知りあいなのー!?どういう関係!?」
「なっ、何もないよう…」

未来が藤崎さんに絡む。おい未来。藤崎さん困ってるだろ、離せよ…と言えない僕は相当のヘタレだな。

「はいはい座ってー。出席みたいなの取るからねー」

そう言いながら教室に入ってきたのはさっきのこめかみぐりぐり先生だ。出席みたいなのってなんだ、みたいなのって。




色々文句はあるが、今日から高校生ライフが始まる。