複雑・ファジー小説

Re: 地獄病棟は嗤わない プロロ 第一話更新! ( No.13 )
日時: 2012/07/21 12:59
名前: 風猫(元:風  ◆Z1iQc90X/A (ID: 68i0zNNK)

コメントくださったかたがたありがとうございます!

葉月涼花さまへ

何度もコメントくださりありがとうございます♪
コメントは簡単にできるほど時間がありませんがいつも覗かせて貰っていますよ!

狒牙さまへ

そうですねぇ。まぁ、どこかしらいかれた人しか出てこないと思うのでヨロです★
えげつないと言うか、心霊スポットみたいなものというか。
多分、完全に設定無視のノリだけで進んでいく作品になるかと。

お二方、変身遅くなってすみません!

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  プロローグ   第二話「病人B 日浦誠」

  やぁ、初めまして、僕の名前は、日浦誠二十六歳です。突然ですが正義の味方やってます、宜しく! 

  「よぉ、姉ちゃん。暇かーぃ? 俺達は暇だぜ? ちょっと遊んでかない?」
  「なっ、何ですか? 貴方達?」

  粗野な顔立ちの貧乏臭い勘違いファッションを着た男達が、一人の若い女性に寄って集って言い寄っている。あーぁ、いつもいつもどいつもこいつも馬鹿みたいにいつまでも、愚考を犯し続けるんだから。僕の仕事は大変だ。馬鹿は少し目立たない場所なら、いくらでも悪口を繰り広げていいと思ってる。忌むべきゴミどもだ。

  正義として見過ごすわけにはいかないだろう。距離は二十メートル程度。駆ければすぐに届く距離だけど、もう少し様子を見たほうが良いかな。彼らの言動は明らかに不良のそれだが、早計に判断して失敗しては困るし。

  「いやさぁ、俺達アンタみたいな美人を見ると思わず……胸もでかいし、本当にさぁ」
  「……生憎だけど。貴方達みたいな社会の炙れ者の相手しているほど暇でも屑でもないんですけど」

  女性の胸を掴む野卑な男。どうやら間違いではないらしい。見たところ何かの撮影とか、そう云う物でもなさそうだ。よし、正義執行だ。害獣駆除を始めよう。さぁ、気兼ねなく叩きのめしますか。

  「はいはーっぃ、君達。屑の分際で善人に手を出すんじゃないよぉ」
  「何だぁ? てめぇ……人助けして正義の味ガッ!?」
 
  音もなく相手の視界を掻い潜り二十メートルを疾駆する。そしてゴミへのフェイントがてら、意味もない挨拶を交わし、強烈な右ストレートを、女性に最も近い位置にいる男に食らわす。これで一人駆除した。幾ら体格が良くて喧嘩慣れしてても顎に入ったら簡単には戦場に戻ってこれないだろう。

  「何なんだあぁぁぁ!? てめぇはああぁぁぁぁぁぁ!」

  仲間が吹き飛ばされて痙攣しているのを見て、数秒後の罵声だ。反応が遅いよ。薬でも極まってるのか屑ドモ。無理矢理怒声で意気高揚させようとしているのが丸見えだ。こんな奴等負けるはずもない。

  「がはっ!? ばけも……の」

  ドシャァっと大きな音を立て、図体だけのスキンヘッドが倒れる。最後の一人だ。おしまい。

  「あっ貴方一体?」
  「正義の味方です。貴方を助けに来ました」

  何を言っているのか理解できず、逡巡する女性。僕に助けられた人間は対外いつもこうだ。悪意を受けた恐怖と僕への不可解さでほとんどは、僕が悪党を倒すまで動けずにいて。僕に話しかけられるとまるで拒絶するように身をよじらせる。

  言葉の意味も理解せず、おびえながら後退りしてさ。傷害事件の片棒を担がされるのは嫌だとか、喚くやつばかりだ。僕は悪人を人間の最底辺だと思っている。そいつらは平気で窃盗したり暴力をふるったりする屑ドモのことだ。

  では、彼女たちのような普通の人間はどうなのか? 僕のような圧倒的正義に助けられる資格はあるが、その見返りを払わねばならない立場の連中のはずだ。正義の味方だって有給なんだぜ? 世界に存在するんだから。

  「えっ? きゃぁっ! 何をするの!?」
  「君は普通で僕は正義だから、僕は君に何をしても良い」

  戸惑う彼女を強引に壁に押さえつけ唇を奪う。ブラウスのボタンをぶちぶちと破り、服を脱がす。何もせず悪意ばかり振りまく連中は、普通の人間をレイプする資格なんてない。でも、僕は普通の上である善人だ。

  普通の人間から搾取する資格が……
  えっ? 何だ? 何か僕後ろに引きずられてる!? そんな馬鹿な……警戒はしているはずだ! こんなところまで接近を許すはずが!? 訝しがり後ろを振り向くと——

  「何よ!? 何で鏡から手が!?」

  訳が分からないよ。そもそも、青っ白くて細い割りに何てパワーしてんだこの手! 必死に思考をめぐらせていると唐突に僕の世界が黒に染まった——



⇒プロローグ   第三話「病人C 一式和葉」