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〈プロローグ:始まりの夢〉

——夢は……曖昧。






時に見せるのは辛い記憶。
時に見せるのは楽しいこと。



時にはこれから起こる出来事を。
時には……『もう一人の自分』を。







——夢はまた、一つの世界なのだから。
















暗闇。


真っ暗な闇の中で、私は沈んでいた。



どんどん、深く。

どんどん、暗く…………

気持ちも……それに合わせるかのように悲しく辛くなっていく。




（……なんで、こんなに悲しいの？　辛い、胸が、痛い……）





不意に、誰かが手を伸ばした。
私の腕をつかみ、そして引き上げた。





少女が立っている。

その人は私によく似ている。

違うところは、髪の長さくらい。
私は肩下だけど、彼女は首くらい。

——……な、…………きろ！


何かを必死に訴えているけど聞こえない。
何が言いたいの、と言おうとしても言えない。
だってこれは……『夢』だから……










————でも、これから起こることは決して……夢じゃなかった。















　　始まりの刻を刻むのは、とある少年少女達。


　　　　　　　　　　二つの世界、『現実』と『夢』が繋がるとき。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　悪夢は目覚め、踊り出す。


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