ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

　　　　　　　『——持ち物検査——』

黒板にでかでかと書き上げ、私は職員室から貰ってきた段ボール箱を２、３個ほど教壇に置く。

「悠乃ー、マジでやるのかー？」
「大真面目！　さっき職員室に言ってきたら『是非とも！』とか言われたの」
「柊、それ一週間くらい前の話。定期的にやるのを忘れてたんでしょ、みっともない」

あはは……いやぁ流石更紗ちゃん。バレちゃったねあっさりと。

「言っておくが、BB弾を没収したらお前をこの世から消すぞ」
「へぇ……エアガン本体ならいいんだ」
「何だと……？」

うぉ、更紗ちゃんと風臣がなんか一触即発的な雰囲気に……

「落ち着いてよ２人とも、ていうか進まない……」

まずは、野球みたいなことをしていた京君から。

「何か異様に固そうな傘没収。教室に傘を持ち込んじゃ、ダメだからね」
「折りたたみは？」
「ダメです、どっちも危ないから」
「将来的に必要だけど……(ボソッ)」
「？」

次、袈ヶちゃん…………
ちょっとちょっとっ！？　どれだけあるのこの地雷は！

「知り合いからの贈り物なんだぜ。軍人だけどな」
「何故に軍人！？」

とりあえず段ボール一箱分没収。次は更紗ちゃん……

「彫刻刀投げてないのに没収なわけ？」
「ここには図工の授業がないからね。持ってくること自体ダメだよ？　しかも、野球っぽい遊びに参加しようとしてた」


とまぁ、一人一人やってると長いから、まとめると……


——没収したもの——

・謎に固い傘

・対戦車用地雷(段ボール一箱分。危ないので没収)

・彫刻刀(投げかけていたから)

・カードゲームのカード(遊○王とかヴ○ン○ードとかやってたから)

・エアガン(問答無用で。BB弾は小さいので没収せず)

・ゴム弾(投げてたので没収)

・大型レンチ(1.5メートルもあったので流石に没収)

・タバスコとお菓子(一応授業中なので飲食禁止)



——以上、高等部寮長 柊悠乃。


「じゃあ職員室に行くから。……言っとくけど取り戻そうなんて思わない方がいいよ？　能力発動しとくし」
「ユッキー、刺激物の摂取は欠かせないから……返せ」
「ダメ」
「……返せ(こっちも能力発動しようそうしよう)」
「ダメ」
「……か」
「ダメったらダメ……あ」

え……バタムッ！　と、本日二度目の転倒。

「『名の由来』……油断したな」
「うぅ……体が重い〜こらぁ〜」
「……無視しよう(タバスコ回収)」
「てか、おいおいゆーちゃん……能力で弾けるだろ？」
「なんか今日は調子悪い……理依先生の薬でかなぁ……うっ、なんか苦しくなって……きた……」

これって『くそ……鬱だ、死のう』というあの名ゼリフと場面になりつつあるよね！？

「心君、もう止めようよ！　このままじゃ悠乃ちゃんが……」
「大丈夫だ、蒼。もうやめたし。……いつまで床に寝てるんだ？」
「…………あれ？」

あ、ほんとだ。体が軽いや。

「はぁ……よかったよかった。おっと、また忘れるところだった。今から転入生を紹介するから帰らないでねー？」

教室の外に転入生を待たせてるんだった。

「来栖 水桜（くるす　みお）ちゃんって名前だって」
「女か」
「そうみたい」

ざわざわと騒がしくなる教室を後にして、扉を開ける。
心配そうにこちらを見る水桜ちゃん。

「水桜ちゃん、各教室の扉にはロックがかかってるの。解除するには、このエンブレムをパネルにかざして、出席をとって入るの。やってみて」

コクンと頷き、校章をかざす。



——ピピッ、カチッ



ロックが解除された音がした。

「これで入れるよ」

扉をあけ、私達は教室に入る。






「えーっと、この度、能力が発覚したので東雲学院に転入することになった、『来栖 水桜(くるす みお)』ちゃん！　仲良くしよーね！」
「よ、よろしく、お願いします……」

消え入りそうな声で話す水桜ちゃん。

「私はこれから、水桜ちゃんを案内しなきゃいけないから、そろそろ各自解散ってことにするけど……質問あるー？」
「悠乃、その子の能力って何？」

おっと、ハルが質問。

「えっと……何だっけ？」

実は知らないんだよ私は。あんな騒動があったしね……。

「……分かりません」

あれ？　分からないんだったっけ？

「……早く、案内……」
「え、あ、そうだよね。ハル、ごめんだけど分からないみたい。分かったら水桜ちゃん自身から話すと思うし」
「りょーかい」
「じゃあ今はお昼時かぁ、みんなお腹空いてると思うし、これで解散！　あ、でも午後から私と水桜ちゃん除く皆は、実務訓練だからね！」


『解散』の言葉を紡いだその瞬間、雪崩のごとく、皆が扉に殺到したのは言うまでもない。


……さてさて、案内を始めないとね！




＊＊To be continued…＊＊

Next story：夢世界「帰郷と……」

《青空チャット》

——ここは東雲学院が提供するチャットルームです。ごゆっくりどうぞ——

月葵【個人が有するパソコンか携帯からアクセス可能の青空チャットだよー！　主人公の柊悠乃でーす！　始まったときから突っ込み役になってました】

グレイ【初盤から地雷出したおねーさんこと赤米袈ヶでーす】

長月【今日も寒いな…青谷木京だ】

月葵【あれ？　今日は３人だけ？】

すぴりたす【私もいるよ。機械好きの鳳カナエ】

山下愁【ホープっていうあだ名の、如月希望もね。ていうか今来たばかりだけど】

月葵【その内みんな来るかな？　えっと、参照100突破記念としてチャット始めました。結局、キリ良く１話完結後だったけど】

グレイ【いーじゃん、予定通りってことだし？】

檜原武甲【今日も怠いな……】

月葵【いきなり心君登場だね】

城宮壱【俺もいるぞ。柊、やっぱりエアガン返せ】

月葵【もう職員室に持って行ったよっ！　しかも危ないから無理】

檜原武甲【さっきハルが廊下を走ってた】

すぴりたす【あぁ、いつものことだよね……あ、そだ。まだメンテナンスの途中だったから落ちるね】

月葵【あ、うん分かった】

グレイ【今回はかなり普通……あ、でもヤクザの生徒が面倒事引き起こしたり、ひっちゃんがあのコスプレＳ先生に脅されちゃったりしてたねぇ〜】

城宮壱【いきなり持ち物検査とかするしな】

グレイ【意外に根に持ってんのな、風臣？】

月葵【理依先生のあの注射の痛みはもう二度とごめんだよマジで！　容赦ないもん……】

山下愁【まぁでも、結果的にヤクザの男子生徒はアタシと心でぼこぼこにやっといたわよ？】

長月【しばらく出ないはずの声も、ちゃんと出てるから良いんじゃないか？】

月葵【結果オーライ、か……そういうことにしとこう！】



全員【立ち直り早っ！！】




山下愁【ところで、ゆーちゃん。このチャットで、何するのよ？】

月葵【大抵は雑談とか、お知らせとか、あと次回予告……あ、こっち(現実世界)の話だけど】

長月【次……確か主に俺視点になったんだよな】

グレイ【俺もあるよな、きっと！】

月葵【さぁどーでしょーねーｗ　作者次第だよ】

刹那【お、遅くなってごめん……大変なんだ】

月葵【あ、蒼！　どうしたの？】

刹那【実は、その……】

檜原武甲【喧嘩か？】

山下愁【そっちに走るのねあんたは……】

月葵【どうやら雑談できる雰囲気じゃなくなってきたので、そろそろ解散する……かな】

城宮壱【じゃあ俺、落ちるわ。BB弾買いに行かなければならないからな】

月葵【分かったよ】

磁石【お初ー、夢風晴樹来ましたー。走ってたら何か寮の方でさー、不審者見たー】

世移【幽霊も騒いでた】

月葵【本当？　ハルにユータ？】

世移【多分ヤバい不審者だね、幽霊が騒ぐと良くないことが起こる】

刹那【犯罪者……ってこと？】

世移【だろうね】

山下愁【ゆーちゃん……そろそろ締めくくった方がいいんじゃないの？】

月葵【だね。次回は、ハルが言った通り不審者と戦います。あ、ちゃんと東雲学院の案内もするよ】

檜原武甲【刺激を得るにはいい話だな！】

グレイ【なぁなぁ歓迎会もやるんだろ？　転入生来たからどんちゃん騒ぎしようぜ！】

月葵【勿論だけど、まず不審者を何とかしないと】

長月【と言うわけで】

グレイ【次回に続くっ！】

——青空チャットには誰もいません。——







——……夕闇チャットが起動しました——

魔女【あらあら、私も参加したかったのに。残念ね？】
夢【——ジジッ……メザメル。モウスグ……アエル……】
魔女【えぇ、でもちゃーんと、準備しないといけないわよ？】
夢【アエル……ミンナニ……】
魔女【クスクス、この世界とあの世界から、私の望む世界を築くために、あの子達には働いてもらわないと】
夢【トキガ……ミチル……200ネンノ……トキガ……——ジジジッ】
魔女【あら、消えちゃった。まだ維持するのは難しいわね。　とりあえずー、実力を見ましょうかー。クスクスクスクス……】


——夕闇チャットが終了しました——