複雑・ファジー小説

Re: アザラシと動物ランド、F!! 『皆様の名言、大募集!!』 ( No.28 )
日時: 2012/07/21 13:35
名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode






          「パート2。」






     -----------------星野は決して仕切るのが得意なわけではなかった。



    星野が今まで仕切る仕事をしたことがあるとすれば、小学校の低学年の時、クラスの委員長をやったときぐらいである。
    それは決して自分が進んでやろうとしたわけではなく、クラスの人が誰も進んでやらない状態があまりにも長く続いたので、面倒なので立候補したのだ。


    懐かしいな、そんなときもあったな、とまるでもう何十年も生きている老人がいうようなセリフをつぶやいた。







     「僕なんかで・・・・いいのでしょうか?」




    今さらな事であったが、星野は心配そうにレイリー、そして皆に聞く。


    それを聞いたマッハは少しも躊躇する事無く、「これからよろしく頼むよ、リーダー。」と言った。

   ポッポも、「足を引っ張らないでよね。」と、なかなか辛いことを言われたが、一応了解してくれた。

   ウリュも、「わ・・・私が・・・・足を引っ張りそうだけど・・・」と、なぜかポッポが星野に向けて言った言葉を、ウリュは自分に言われたかのように謙遜けんそんして言う。

   いや、これは彼女なりのポッポのキツい言葉に対してのフォローのつもりだったのかもしれない。
   まぁ彼女の性格からすれば、それはないのかもしれないが・・・。そして何より、本当のところがどちらか分からないのだから結論を出しようがないのだが。



   それはそうと、どうやら3匹とも、ありがたい事に自分がリーダーをすることに異論はないようだ。キツい言葉はもらったが・・・。




    「決まりだな。星野君。今日から君たちは、同じギルドとして共にする仲間だ。存分に助け合っていくといい。」




    レイリーの言葉には力強さを感じた。最初の威圧感とは違い、まるで喝を入れられたかのような感覚だ。






    「そういえばホシノ君、ギルドの名前はどうするつもりだい?」



    さっそくマッハは、ギルドのリーダーである星野に質問する。


   ギルドの名前・・・そうか、確かに名前があったほうがチームっぽいし愛着が沸くな、と星野は思った。







    「はいはーい、こんなギルド名どぉ? 『お腹満腹大好き会!!』とか?」



   「却下。」とマッハはポッポの提案をわずか一秒も考える事無く切り捨てた。

   ポッポは納得いかないような顔をしていた横で、ウリュはボソッと「・・・それポッポちゃんだけだよ・・・。」とツッコミを入れていたのは言うまでもない。もちろんポッポに聞こえていたため、ウリュはお仕置きを食らったのだが。





    「・・・・・『疾風迅速』なんてどうだろうか?」




   と、マッハが提案したところ、ポッポは、「歩けないアザラシがリーダーなのにぃ? 名前負けしてなぁい?」と言われ、マッハはうなだれた。








     ・・・・・・いや、ひどくないか今の言動? 

    と、星野は内心大きなダメージを受けた。もちろん口には出さないが。











     「----------------『トリニティ』・・・・とかどうかな・・・・?」




    そう言ったのはウリュだ。『トリニティ』、確かにカッコいいとは思う。




    「しかしだウリュ、トリニティが示す意味は『三位一体』。私達は四匹だぞ?」



    ウリュの提案したギルドの名前について、鋭くマッハはツッコミをいれる。

   確かに星野達には『三位一体』というより、むしろ『四位一体』の方がよく似合う。



   だがこの時、星野は考えた。自分はいずれもとの世界に帰ってしまう身である。星野がいずれいなくなることは確かなのだ。




    ・・・・だったら、と星野は強く決心した。


  『トリニティ』。良い名前だ。僕が抜けても名前も不自然にはならない。





    「・・・僕は良いと思うよ。『トリニティ』。仲間意識が強そうな良い名前だと思うよ?」



   と、言った。別に本当にそう思ったわけではないが。

   ただ自分はここに仮としている存在。いずれここを離れる存在なのだから、星野は自分を含める必要はないのではないか、と考えただけである。





    「・・・ホシノ君がいいなら私は異論がない。ポッポはどうだ?」



    と、マッハが言うと「異論なーい。」とポッポは軽いノリで返事をした。





     「トリニティ・・・か。言い名前じゃないか。」 レイリーは微笑んで言う。











    --------------今日、一つのギルドが誕生した。名は『トリニティ』。星野君率いる愉快で異質なギルドの誕生である。







    「ではギルドの名も決まった事だ。もう一つこの世界において、最も大事な事を教えよう。」




   大事な事、レイリーが言ったこの言葉は決して大げさではなかった。

   これはこの国の動物達、いやそれだけではない。我々人間も含め、『生物全て』に必ず宿るモノであり、時には力にもなるモノ。






    「--------------全ての生物に必ず宿っている能力・・・・『属性』と呼ばれるモノについて説明しよう。」