複雑・ファジー小説
- Re: アザラシと動物ランド、F!! 『皆様の名言、大募集!!』 ( No.40 )
- 日時: 2012/07/26 21:49
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
「パート5。」
-------------この国の名前を、動物達は『アニマルライズ』と呼ぶ。
現状派が築き上げたこの国は、平和を愛し、現状維持を求める。
この国の動物達は皆、固い絆で結ばれ、仲間意識の強い動物が多く住んでいる。
・・・が、それはこの国だけなのだ。全ての動物達がそういうわけではない。
無論、この世界にも野生動物はいて、他の動物達との仲間意識を嫌うものもいるのだ。
つまり国の外を一歩出れば、そこは人間の世界とも変わらず、『野生』の世界だ。動物同士で容赦なく争い、食うか食われるかの世界に一変するのである。
-------------『アニマルライズ』を出て、西に進んだ先にある『レイクビーチ』。
そこは綺麗な湖として、または『水』の属性の修業場所として知られる場所。
透き通るような綺麗な水であり、飲むことももちろん可能だ。
星野は到着と同時に感動を受けた。人間の世界ではめったに見られないような綺麗な湖。星野の住む周辺では見られない光景である。
辺りを見れば湖に飛び込み、泳いでいる動物もいるし、水を飲んでいる動物達もいる。
そんな時、星野はふと思った。こんな平和のような湖にも野生動物なんているのだろうか・・・・と。
無論、存在している。そこまで危険な動物はいないのだが、いることは確かだ。
「--------------星野様、さっそく実戦の方を始めてみましょうか?」
モモナはマッハの背中に乗っている星野を見ていった。
ちなみにこの時、すでにマッハは姿勢を低くして、星野が降りやすいようにしているのだが、星野は降りられない。
モモナとは違い、自由気ままに動けるほど星野も身体に慣れていないのだから。後、ポッポに降ろしてもらったのは言うまでもない。
それはそうと、先ほどから実戦と言っているが、具体的には何をするつもりなのだろうか。
まさかいきなりモモナと戦うという無茶ぶりを言われるのか? それはもう実戦どころか勝負にもならない。
だがその心配は無用であった。モモナが言った言葉は星野が思っていた以上に謎めいた言葉だったからだ。
「では星野様、さっそくですがこの湖の水を可能な限り飲んでいただけませんか?」
と、モモナは言った。『水を可能な限り飲め』、という修行法はこの瞬間、初めて実現されたのではないだろうか。
重い物をつけて修行をする、または山に籠もって修行、あるいは滝に打たれて修行などは皆様も聞いた事はあろう。
だがこれはもはや・・・罰ゲームの一種である。だがだからといって嫌だとは言えないが。
モモナが言うぐらいだ。何かあるのだろうと希望を持ち、星野は湖に口をつける。
冷たくて、ちょうど喉がカラカラだったし、少しぐらいなら飲めそうな気がする。
----------------と思った矢先、星野は自分でもビックリするような事態が起こった。
(あれ・・・なんでだろ。いくら喉がカラカラだといっても、これはいくらなんでも飲めすぎじゃ・・・)
別に星野は無理をしているわけではない。ただ、本当に飲める分だけ飲んでいるだけである。
・・・だけど、すでに星野は常人では飲めない程の水をすでに身体に注ぎ込んでいる。
2リットルのペットボトルを何十個分、といったところだろうか。下手をすればそれ以上の量をグイグイと飲んでいくのだ。
(うっ・・・そろそろ無理かな。)
そう思い、星野は飲むのを止め、湖から顔を離す。
なんだか凄い量の水を飲んでしまったような気もするが、別に苦しいわけではない。むしろ心地よい。
「・・・やはりそうでしたか。星野様、御覧になってください。なんだか湖がおかしいとは思いませんか?」
モモナは星野に湖を見させて、その変化に気付かせようとする。変化・・・・といっても見たところは何も・・・・
-----------と思ったが、それはつかの間の事だった。星野は気付いてしまった。
(水面がさっきより目に見て分かるほど低くなっている!? これはつまり・・・)
そう、星野が飲んだ分の水が減ってしまっているのだ。それも誰が見ても分かるほど。
星野が飲んだ量は先ほど言った通り、2リットルのペットボトルを軽く何十本ほど。
「吸収した量をエネルギーの単位に直しますと、ザッと『500ポイント』といったところですわね。初めてにしては素晴らしいですわ、星野様。」
500ポイント? まるで『現在ポイントカードに入っているポイントがこれぐらいです』、とコンビニの店員に言われたような気分だ。
このポイントがエネルギーを表しているのは分かったが・・・それが一体なんだというのだろうか。
「この場合、まずはやっていただいた方がはやいですわね。星野様、口から水を出すようなイメージを頭に描き、勢いよく息を吐き出してくださいな。」
今度は口から出すイメージ? それって別にさっきと変わらないのじゃ・・・。
と思って、疑心暗鬼で言われた通りにやってみると、
(あれ・・・なんか身体から水が流れ出てるような気が・・・)
---------------と思った次の瞬間であった・・・!!
『シュン!!』という音と共に、星野の口から勢いよく、そして弾丸のような『水鉄砲』が飛び出した。
「・・・えっ!?」
モモナ以外は唖然として、ただただこの一言に限った。星野自身も唖然とした。
・・・・・いや、唖然としたのは何よりもその威力であった。
なんと、約100m以上離れた木の表面を貫き、そのままさらに100mを、木などお構いなしに貫通していったのだ。
星野が発した水鉄砲は、人間世界にある鉄砲すら凌駕するほどの威力を発揮したのだ・・・・!!
「いかがですか星野様? これが星野様の持つ属性の力でございますわ。そして使い方でもあります。今の水鉄砲で、エネルギーの約10ポイントを消費したと思います。なので今の水鉄砲なら後49回撃てることになりますわね。」
なお、ここで皆様に言っておきたいのは、サラッと言ってのけるがこれはこれで大問題である。
なぜなら鉄砲よりもはるかに強いモノが、星野は合計50発撃てる計算になるのだ。
もはや凶器と言えるほどのレベルだ。
だが星野の力などまだまだ序の口。
これ以上の力を持つ動物がごまんといるのだから、動物の世界も物騒と言うものだ。
-----------だがせっかくだ。ここは素直に喜ぼう、星野君。
ファンタジー風に言うならこうだ。星野は、『秘儀、水鉄砲』を習得した、とな-------------。
-----------第二の冒険、完------------