複雑・ファジー小説
- Re: 罪とSilencer ( No.12 )
- 日時: 2012/07/24 15:35
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
第二話「朝食での来客」
ところどころに蔦が生えていているとっても安そうなアパートにとある暗殺者が一人。
「ん……朝だ」
障子戸を通しての朝の光で目を覚めるという人もいないだろうか。毎朝朝の光を浴びて目を覚ますことに
「18歳なのに……目覚ましなしで起きるなんて僕も年寄りになったかな……」
と呟きながら背伸びしていた。首が右左に動かすとボキボキと小刻みに音が出た。右手首をグルリと回し、左手首もクルリと回す、両肩を上げる。毎日行っている関節の体操はとても心地よく、仕事が楽になる。
「今日の朝食は、日本定食風でいいか」
自分で立派な朝食は作れると一つの自慢に胸を張ると綺麗に畳まれた洗濯物の中から黒いエプロンを出した。
「よし、三分クッキングと行きますか!!」
まず、包丁を出してまな板の上に置く。もちろん、まな板を洗うことは忘れない。冷蔵庫から卵を二つ割れないように器用に取り出すと一つ一つ割ってボールに入れる。菜箸で砂糖、塩、胡椒を入れてかき混ぜる。なるべく白味を切るように横に動かすのが重要。
「次にハムと小松菜を用意」
ハムは三枚ある内二枚を半分に切る。小松菜はさっと茹でた後に一口サイズに切る。
「最後に鮭を投入」
鮭を魚専用オーブンに入れると足蹴りで中に押し込んだ。ひどく揺れる音がするが『「師匠」のクッキング』よりはましだ。
鮭が焼けるまでは一旦料理はやめよう。ゆっくりテレビでも見ながら休もう
ピンポーン
テレビのリモコンを握った時玄関の呼び鈴が鳴ってしまった。
「ハァ……(テレビ見たかったのに……)は〜い、今行きます」
リモコンを床に渾身の限り叩きつけると玄関へ向かった。
「はい、どちら様で」
ドアを開けた先にはピシッと決めたスーツを着て、黒い長方形の眼鏡フレームを凛々しく身に着けている女性が立っていた。一言でいえば『就職活動中の女子大学生』。但し、一見違うのは【レミントンM870】を構えていること
一息するまもなく銃口から火を噴いた。
「アレ? まさかのお亡くなりかな?」
「いや、そう簡単に死んでたまるか!!」
「おっ! ……さすが紫炎君だね。咄嗟にシールドを出すなんて」
コードネーム『ベンケイ』は冷や汗を流しながら、警視庁ご用達シールドを構えていた。シールドには弾痕が数発ついていて、下手したら腕が吹っ飛んでもおかしくはないが、さすが知名崎宇検の弟子。こんな至近距離のショットガンぐらい楽勝だ。ま、自分の能力があったからシールドをすぐ出せたのだが。
「……やぁ。お久しぶりだね。アレ以来だね」
目の前で恥ずかしそうに後ろで手を組んでいるのは『音更 謡(おとふけ はるか)』元仲間で三年前の事件で生き別れになった。仕事を楽しむのがモットーで、自ら先生に用事をもらいに行くという優等生だった。
「謡。朝食食べてくか?」
「いいね!! いただくとするよ!」
元気よく返事をするとレミントンM870を押し付けて部屋の中へ入っていった。
「やれやれ……宇検よりはましか」
元気よさそうな声に嬉しく思うとシールドを一瞬で手の中から消して台所へ向かった。