複雑・ファジー小説

Re: 罪とSilencer ( No.2 )
日時: 2012/07/31 23:26
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)

プロローグ
「こちら、ベンケイ。潜入完了」
身長が180cmぐらいある青年が、膝をついて物陰に隠れて明らかにヤクザ……いや、ギャングの男たちを観察していた。彼の呼吸はとても落ち着いていて、どう見てもプロの動きをしている。
「了解。今回の任務は————」
イヤホンから誰でも落ち着きそうな、穏やかな、優しい女性のオペレーターの声を青年はさえぎった。青年はこの女性自身は落ち着いてないということを知っていながら、その緊張となる言葉
「そんなことより、今回も殲滅か?」
青年はどうせ殲滅だろうと思いながらため息交じりに言った。別に殲滅が得意というわけではない……
「ッ! は、はい。そうです! このギャングは最近闇社会に出てきたグループで、何しろ核弾頭の暗号を手に入れたと————」
普通に殲滅という青年に怯えた声をあげるオペレーターの声を遮った。そして、いきなりギャングたちの目の前に現れた。ユニ○ロで売っている黒いシャツの姿で。
「なにしているんですか!」
誰だって、銃を構える音と中国語の怒声が聞こえれば捕まったということはわかる。まず、この青年は敵をナメテイル服装なのだ。撃ち殺されてもおかしくない。
「うるさい」
イヤホンから聞こえる絶望の声にだらけた声で答えると身体検査をされてボロボロになった姿で敵方のボスと向き合った。
「オマエ、ナニシニキタ」
片言でしゃべる中国人に返したのはナイフだった。ボスの手首をナイフで縫い付ける。
「あなた方の命頂戴しに来ましたけど何か?」
敵が叫び声をあげる前にナイフを両手に持って肩をつかんでいる男二人の首元に刺し、手の中に現れたサイレンサー装着H&KMk23を持ち、振り向きながら二人の側近を打ち抜く。
「オペレーター。大丈夫か?」
数秒の行動を見たオペレーターは唖然となっていた。ここまで強い『公士』に出会ったことがなかったからだ。
「じゃ、ちょっくら戦ってきます」
青年は手の中にナイフを持ち、防弾チョッキをつけると闇に溶けて行った。

青年の名は三戟紫炎、コードネーム『ベンケイ』の名を持ち、能力『七つ道具セブン・アサシン』を持つ人間。