複雑・ファジー小説

Re: 罪とSilencer  -十二話更新しました- ( No.40 )
日時: 2012/10/01 20:11
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)

第十二話「戸惑い」
 指示された部屋に入った三戟紫炎は感嘆していた。
「すごい……」
ベッドが部屋の角にはまるように一つ、シーツは白く端から端までしっかり伸ばされていて綺麗な寝床になっている。真ん中に段ボールの箱がルービックキューブのように積まれている……ガムテープは荒っぽくつけられているが。
「あっ。段ボールに靴の跡が残っているな……」
どうやら、知名崎宇検は蹴り飛ばして段ボールを運んだ時があるようだ。
ルービックキューブの隣には元の部屋に有った箪笥、クローゼットが置いてあった。キッチンにあった皿や包丁はここにはないらしい。ここで、置いてある箪笥に注目する。
「ここから、人の匂いがするのは気のせいだろうか」
普通のタンスの中から少しばかり暴れている音がする。
 まさかと、思うが気のせいだと思いたい。

ガタッ

「…………」
大型拳銃デザート・イーグルなら一撃で倒せるだろう。
「……(サン、ニッ、イチ)」

恵那がドアを開けた時と、開いたタンスの扉からビニールテープで『縛られた』音更謡が飛び出してきたのは同時だった。

「…………」
「……あの。紫炎さんってそんな趣味なんですか?」
「ン!! ンン! ンンゥ!」

誰か、この状態を解決する方法はないのか? クライアントには変態だと勘違いされ、昔の同級生には怒鳴られるだろう。この状態にさせた奴がいけない。そうだ、
「師匠に電話しよう」
 絶対に知名崎宇検が関与していることには間違いない。さっそく電話しよう。