複雑・ファジー小説

Re: 罪とSilencer  -お久しぶりです。更新しました- ( No.42 )
日時: 2013/01/22 21:58
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)

第十四話「音更の力と三戟の力」
「やっぱり来たか! 私は部外者だが乗っかった船だ、お前を倒して紫炎君を助けてやる!」
音更謡はすかさず自分の能力、『隠匿サイレンサー』を発動した。
「こちら、ベータ。作戦失敗。それぞれ集合地点に集合せよ。繰り返す、アルファ……」
男がマイクを使って話しているが、向こうからの連絡はない。
「おい、応答しろ! こちらベータ!」

男が怒鳴りながら部屋の隅へ逃げていく。それを追撃するように後ろからショットガンを使って一発ずつ狙いをつけて撃つ。
「連絡がつかない…… お前の力か?」
「……私は何故弾が当たらないかを知りたい」
ショットガンの弾は広範囲に広がって、ダメージは少ないだろうけどかけらぐらいは当たる。そのショットガンの弾を一発も喰らっていないのだから不思議だ。逆に敵の能力なのかもしれない。
「それはな、こうだからだ!!」
いきなり目の前から消えると、背後からナイフを持ってベータは襲いかかった。もちろん、一般人なら斬られているところを勘で察知した謡は躱して振り向きながらショットガンを撃った。
「無駄だな。俺は闇だ。そう簡単には死なない」
ショットガンの弾は壁に当たって埋め込んでいた。
「なるほど……君は能力者で、体を闇にする能力……当たるわけないか」
そういうと謡は腰についていたトランシーバーを取ると口元に近づけて紫炎に連絡した。
「聞こえてた、紫炎君?」
「聞こえた、大体伝えたいことがわかったから少し待て」
トランシーバーが使えるということは無線的な問題ではないのかとベータは判断した。なら回復するまで、この場にいて集合できたら即撤退。集合できなかったら置いて撤退。いつも組んできた仲だ、すぐに置いてくことはできない。
「どうやら、私をすぐ一蹴できると思っているみたいね。でも、もう対策は練った。後は貴方をこの部屋から出さないようにするだけ。貴方が入った時、この扉は完全に閉じた。私が死んでもここからは出ることはできない。」
「俺は闇となっていつでも逃げることができる。さっさとお前を殺してやる!!」
ようやく本気になったベータは自分の体をバラバラにして、消えた。停電が続く部屋の中、ベータが十分戦える場所となっていた。ベータ自身、護衛を倒すためにブレーカーをとことん破壊したから安心して戦っていた。
「死ね!!」
ナイフが四方から謡に襲いかかった瞬間————
「準備完了!」
紫炎の声がトランシーバーから響き渡り、部屋の明かりが点いた。
ベータはブレーカーをボロボロにしたのにもかかわらず電気が通ったかを気にしながら眩しさのあまり手で目を覆った。もちろん、闇が小さくなったため能力も使えない。
「能力過信は良くない。そこで眠って!」
能力を使っていないベータの体に音更謡はショットガンの鉛の弾を撃ち込んだ。