複雑・ファジー小説

Re: 罪とSilencer  -毎週月曜日更新- ( No.47 )
日時: 2013/02/16 22:01
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
参照: 時々更新します

第十六話「番人」
道路を走っている二台のバイクがあった。片方のバイクには二人で乗っていた。ただの一般人ではない、三戟紫炎達だ。
「越後山脈って言っていたけど……どうすればいいんだ?」
「しょうがないな。紫炎君のために情報網を使って……」
ポケットからアイポットを取り出して何かを調べ始めたのは音更謡だった。片手にアイポット、片手はハンドルで上手に運転をしながら調べている……横転したら巻き込まれるのでは?
「謡!! そんなに急じゃないからバイクから降りてッ!!」
「へ? あ、見つかったよ!場所は——」
謡のバイクが大きく傾く姿を見てピザの斜塔よりも傾いた! と喜ぶはずなく。
「今すぐ降りろ!! 僕らが巻き込まれる!」
「——越後山脈にある廃鉱山で多数の行方不明者がいるらしい。多分そこだろうねってバイクが危ないことにィ!!」
バイクを自分の重心で徐々に傾きを元に戻すとヒャッホーとスピードを上げた。良かった、どうやら僕は交通事故で死ぬことはないみたいだ。
一安心して謡に道案内をさせる。事情を知らない味方を撒いてから2時間、そろそろ目的地へつくはずだ。

「お主らがベンケイとナイト・ウォークか?」
廃鉱山の入り口で大きな四角い中世の盾を持っている老人に出会った。白髪でどう見ても実年齢は70過ぎに見える。中世の盾と同じく中世の鎧を着用している。武器は持っていないようだ。
「お主らがベンケイとナイト・ウォークならここを通すことはできない。ま、一般人にも同じことを儂は言うと思うのじゃがな」
「残念ながら、僕と彼女と彼女はクラーク。アルフレッドに会いに行かなければならない。そこをどかないのなら無理やり通るだけだ」
 自分の実名をしゃべると親や子を使って脅しにかかってくるかもしれない。だから三人称を使って会話をするのが得策だ。
廃鉱山の番人は目を丸くした。
「お主、二股かけておるのか!?」

このジジイ、僕を死に陥れる気か?

謡と恵那さんがジト目でにらんでくる。やっぱり女性って怖い。
 気を取り直して番人に全身全霊をかけた抗議をする。
「そんな関係ではありません!! ここが通れないのなら他の道を——」
謡がアイポットで何かを調べながら僕の言葉を遮った、
「それは無理だよ。ベンケイ。他の入り口は全部封鎖されているようだね」
最終手段に出るしかないのだろうか……しょうがない。
「では、貴方を倒していくしかないようだな」
その言葉に番人は——
「かかってこい! 最近、骨のあるやつがいなかったのじゃ!」
盾を構えてまるでアメフトの選手のような姿勢を作った。
もちろん、僕たちもそれぞれの武器に手をかける。僕は武器を直前に使う派だから持っていないが。
「通らせてもらうぞ!!」
僕の叫び声とともに僕と番人はぶつかった。