複雑・ファジー小説
- Re: 罪とSilencer オリキャラ募集!!十九話更新 ( No.56 )
- 日時: 2013/03/18 20:18
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
- 参照: 学期末テスト終わりました
第二十話「クラーク・アルフレッドの思惑」
ゆっくりと目を開けてみると手錠がかけられてそのまま床に転がされていた。気絶したふりをしながら周りの気配を感じ取る。背中には熱気がものすごく感じられたって……
「(おい……謡か?)」
相手の背中に軽く体当たりして相手が何者か判断する。知らない人でもなんらかの能力を持っていて拉致されたのかもしれない。
「大丈夫。隠匿は発動している」
後ろに倒れていたのは謡のようだ。能力『隠匿』が発動しているということはまずこの会話が聞かれることはない。
「謡、僕がピッキングの道具を出す。だからこの手錠を外してくれ」
「ごめん。足に力が入らなくて……できなそう」
二人で話し合っていると、ドアが開く音がして視界に女性の姿が見えた。黒髪長髪ですまし顔の黒眼鏡で美人と言える女性が立っていた。まぁ、拘束されてなくて自由に歩いているんだから敵なのだろうけど。
「ナイト・ウォーク……貴女はこの極限状態で能力を進化させたみたいね……ま、いいわ、どうせ使えない体になるのだから」
「……何を言っているの? あッ!! 私の腕に文字が!!」
僕には見えない。手錠を外してほしい。
「どうやらその腕には自分の周りの声の記録が浮かび上がるみたいね。隠密の際には使えると思うけど……その足じゃ無理ね」
「私の足に何をした!!」
仲間外れにされる気分ってこんなものなのかな……
「貴女だけじゃない、そこの男にも同じことをした」
まさか……『完負』特有の能力そして、この足の虚無感。
「足の神経を二人とも麻痺させた。いや、健全な脚では無いようにした。私の能力でね」
「治すことは……」
息を飲む僕らに非常な答えが帰って来た。
「一生無理。どうせ死ぬんだから困らないだろうね」
知名崎宇検すなわち師匠のもとに居なかったら自殺でもしてたかもしれない。
ピッキングで手錠を外し終わった手ですぐさま逆立ちをし、遠心力で蹴る力を強めて女を蹴ろうとした時
【良くないな。そこに伏せてろよ】
声と共にガスマスクの男、クラークが現れた。そして僕の腕がへし折れた。
【どうせ死ぬんだ。ちょっとは生きろよ】
どうみても勝ち目はないよな……腕がへし折れたみたいだし……