複雑・ファジー小説

Re: 罪とSilencer  オリキャラ募集!!二十一話更新 ( No.58 )
日時: 2013/03/30 21:48
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)

第二十二話『冷たい氷と紅い炎』
大人数が戦っている戦場の真ん中で高校生ぐらいの子供と30代の女性が激しく戦っていた。
「『ロック』!」
地面上にある雪が氷に凍り付いていく……足が固まったらさすがにまずいな。思いっきり跳ねて躱し、氷の上に着地する。
「滑ったらドジっ子みたいで可愛かったか? おっと……」
冗談を言っていると転んじゃうぜ。さて……どうするかな……
 スケートのようにレド直進で走り始める。地面はこれ以上凍り付く必要がないから全力疾走でレドの首に腕を絡み付けてようとした。いわゆる、ラリアットだ。
「うおっ!! 近づくのが早い! 『ホールド ブレイク』!」
俺の体が固まる。どうやら、足の周りに氷が張っているようだ。どんどん這い上がってくる。冷たい感触が服を通して伝わってくる。胸、顔と薄い氷が張りついてく……る……


「よし……紅きじゃじゃ馬は対処したと。ボクの能力に勝てる奴なんて———」
レドは自分の周りの地面が氷に包まれているのを見て、次に固まっている知名崎宇検の顔に触った。
「そうはいない。キミは頑張った。うん、頑張った。だから、死んでいい。」
レドはサバイバルナイフを取り出すと未練なく勢いをつけて喉を斬ろうとして————

「俺は『人類最凶』!! 誰も俺を止めることはできねぇ!!」
全身の氷を内部からぶっ壊した知名崎が奇声をあげ、知名崎の唸りをあげた拳にレドが殴られた。漫画並みの衝動で何メートルか転がっていくと、口から流れ出る血をふき取ってレドがもう一度構えた。
「くっ……こうも、ボクの氷を破るとは……能力もちなのか!?」
どうやら、頬を裂いていこうとするのはレドが空中の水分を固めて投げつけているようだが……まだまだだな。そして、強い=能力持ちと考えるなんて一昔だぜ?
「『通常平等バランスキープ』という能力さ。お前の攻撃なんて眼に見える!」
もちろん、嘘だが。
「そうか……まだボクは死にたくない」
レドが眼を瞑り、大きく深呼吸をしてまるで舞を踊るようにクルクル回ると同時に地面が揺れ始めた。
 なんだ? 地面から何か出てくるのか?
「グランド! 大埋葬!!」
レドの周りから波紋のように地面から巨大な氷柱が出てきやがった!! あれは俺でも不味い!

レドは氷柱の中に消えていく宇検の姿を見てほっとした。今度こそ葬れたと自信を持った。今度は3メートルばかしの氷柱なら死んだはずと信じたかった。

「無駄無駄無駄無駄!! テメェの上ががら空きだ!!」
氷柱の上でつり合いを取り、他の氷柱が襲ってくる前にレドの上空へジャンプする。これで攻撃を回避して、上からの踵落としで倒してやるぜ。
 上空で踵挙げて振り落された勢いを大きく、当たれば重症は間違いないだろう。
「なんて馬鹿力なんだ!!」
氷柱に囲まれたレドに踵が振り落され、粉雪が舞った。