複雑・ファジー小説
- Re: 罪とSilencer オリキャラ募集!!二十二話更新 ( No.59 )
- 日時: 2013/04/03 21:39
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
第二十三話「公視総監直属蜻蛉部隊」
「やばい……骨が折れた……」
氷柱の中からレドを支えた女性、二人が飛び出して後退しまたもや向き合うようになった。以前と比べて違うのは同じぐらいの人数だったのがロシア側は半分しか残っていなく、日本側は少ししか減っていないということだ。
「レオニード・ヴォルフォロメエフ。公視総監の命でお前を消させてもらう!!」
傷だらけの引一矢が高らかと叫んだ。日本に進撃しようとした能力者の連中だから消さないといけない。うん、俺の出番だな。
「一矢。この戦いで仲間は何人死んだ?」
「5人。重症人は日本に輸送させて治療させている……お前はオリジナルのことを知っているようだな?」
「もちろん。公視総監鳥栖蜻蛉またの名を「精神最終」の能力『一人当千』を理解している限り少ない人間の一人だぜ?」
『一人当千』は様々な人格を作り出す能力。日本での有数の遺伝子科学者鬼灯紅博士の研究結果である能力は人格によって誕生するという考えを証明することができる人間として鳥栖蜻蛉がいた。本人は好きで能力者になったわけではないとこの話をするたびにわめいている。何しろ嵌められたらしい。『一人当千』によって肉体を作る人格を作り出し、その人格を作り自分の分身を作り出した。能力持ちの人格を入れたその分身たちがこの『蜻蛉部隊』という訳だ。弱点として挙げられるのは蜻蛉部隊の人間が死ぬと、その精神ダメージが鳥栖蜻蛉本人に来るという訳だ。まぁ、怪物の集まりである蜻蛉部隊の人を殺すのは一般人には無理だけどな。
「だから、お前みたいなはちゃめちゃ————」
「なんつった?」
「なんでもない!! 早く襟首から手を離せ!!」
おっと、いつの間に首を絞めていたようだ。自分に恐ろしいぜ。
「ボクは死にたくない。今のうちに逃げて形勢を立て直そう。全員、撤退!!」
気が付けばレド達が急いで退却しようとしている。ここまで来たら逃がすわけにもいかない。
「奴ら、逃げるようだぞ!」
すぐさま、退却をする一団の中に飛び込もうとした。俺たちの敵なのだから容赦しないし、俺の愛弟子が頑張って戦っているはずだから、俺もこいつらを倒して助けなければ!
「部隊員、健常者はすぐさま追撃せよ。なんとしてでも敵を殲滅する。Go!」
電撃をすぐさま放つ者がいれば、すぐ走り出して消えたと思ったら10メートル前で走っている奴もいる……本当に能力者ばっかりだったな。
それぞれの攻撃がレドの一団に当たりそうなその時、爆発が起きた。あまりにも迫力のある爆発だった。
「ここまで、蜻蛉部隊はすごいのか……この宇検、見直したぜ」
「いや、俺たちだってここまで強い爆発は作れない。たぶん、第三の勢力の者がここに来た……」
煙がうっすらと消えていくと、煙の中に黒いコートを着た男と白いコートを着た女がいる。視界が良くなるごとに、俺の口から思わず「まさか」という言葉がなんども飛び出た。
「あ……これはお久しぶりじゃないですか。三年ぶりですか。なんも変わっていない」
「もう会うことがないと思っていました! 《三年ぶりの恩師との再会、ただし互いに敵同士》みたいな!!」
……相変わらず変わっていないようだな。お前らも。
「誰だ? あいつら。レドニードを瞬殺させたみたいだが何者だ?」
「引一矢と言ったな。テメェ、早くここから逃げろ」
頭の中で不味いという言葉が駆け巡る。
「は?」
「逃げろって言っている!! こいつらは『神々』……『限界解除』の榊和と『幸運の女神』結ヶ城神奈の二人だ! 早く逃げないと全員死ぬぞ!」
慌てている俺らを少し笑うと男、榊和は何もしないと言わんばかりに腕を広げた。
「俺たちはこの出しゃばった男を殺しに来ただけですよ。でも俺らと戦って先生なら勝つ自信あるでしょ?」
「くっ……」
「『人間最凶』またコードネーム『ヨシツネ』と言われている知名崎宇検、もとい『出遅れた最強』厚木陽子先生なら勝てるでしょ?」
「その名前は捨てた。テメェらが俺たちの学校を壊した時死んだ仲間と共に墓場へ持ってったんだよ!! ちょうどいい、どれぐらい成長しているか見てやるさ」
首をゴキゴキだと鳴らして、足首も回す。準備運動は完了して、後は無理でもいいから痛めつけてやる。 もし漫画にするならテロップに『次回 知名崎宇検と神々の戦い』とでも出してやる。