複雑・ファジー小説
- Re: 罪とSilencer 第二十三話更新。宇検の正体明らかに! ( No.60 )
- 日時: 2013/04/04 21:54
- 名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
第二十四話『人類最凶と神々の戦い』
題名が……変わってしまっている。ま、いいや。
蜻蛉部隊は撤退した。手伝いを申し出てきたが、日本にいるオリジナル・鳥栖蜻蛉がショック死しないためにも撤退させた。手伝おうが、手伝わない関係なく俺が勝つことはない。
「先生。わかっているでしょ? 神奈の能力『幸運の女神』は仲間の運を異常的に良くする能力だ。銃を撃っても俺にも当たらないし、剣筋の上に俺が立つことはない」
「おい、生徒。たとえ無駄であってもやるべきことはあるということをまだ知らないようだな」
「……先生も相変わらずだね。『神々』・『武闘派』の榊和! いざ参る!」
二人が一気に交差し、爆音が流れた。
「行方不明になっていた『出遅れた最強』・厚木陽子が知名崎宇検だってオリジナルは知っていましたね?」
「……さぁ、なんのことやら」
遠く一キロメートル離れたところで、引一矢と狙撃手達一向、まとめて蜻蛉部隊が待機していた。一矢が電話で話している人は彼らを創りだした鳥栖蜻蛉だ。
「対能力者テロリストの人材を育てる学校が襲撃を受け破壊された時、その場にいなかったことから敵の間者の可能性があるとされて、要注意人物になっていたのが厚木陽子だというのは僕でもわかります。そして、破壊行動を止めることに間に合わなかったことから『出遅れた最強』と揶揄されていることも」
「それから、彼女は変わったのさ。弟子を厳しく育て、自分も強くなろうとした。最強と言われているくせにもっと強く……」
遠くから眺めていても、迫力が伝わってくる。一矢は一緒に戦わなくてよかったと安心していた。
お互いの拳を頬に受け、頬のダメージを受けながら相手の腹を殴ると和は見えないほどの速さでアッパーカットを喰らわせてきた。大きく吹っ飛び、地面を這う。
「なんて強さだ。和になにがあったのやら……」
血反吐を吐きながら立ち上がると、みるみる傷が治っていく榊和の姿。その姿を見ると正直、つらい。
「先生、そろそろ俺たちは帰ります。撤退命令が出ているので」
「ま……まて。まだ二回ばかしなぐり合っただけだろ?」
「俺たちの命令はレオニード・ヴォルフォロメエフを消すこと。それだけだし」
傍に寄ってきた結ヶ城神奈の手をつかむと
「早く、クラークを助けるのを止めないと新潟県が吹っ飛びますよ?」
と言い残し、目の前から消えた。
クラークを助ける? なんで助けるなって言う? 仲間が助けに来る音を聞きながら、そして考えながら、宇検は地面に倒れていった。