複雑・ファジー小説

Re: 罪とSilencer ( No.87 )
日時: 2013/07/30 16:41
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
参照: 訂正です。捜査五課を追加。

第十一話「依頼内容」
「さて、この手紙からの内容からすると相当この世界が危ないことになっているみたいだねぇ」

師匠が大きくため息を付いて苦笑いをしている。手紙を僕には読ませてはくれなかったのが悲しい。何か不味いことでも書いてあったのだろうか……

「さて、まだ話が分からない人もいるから、策士、最初から説明してくれ」

今、この場に集まっているのは特殊作戦群作戦担当『桜策士』、公士『三戟紫炎』、殺し屋『音更謡』、公視将校『知名崎宇検』、氷川神社神主『矢向社』。全員、特殊公安大学校襲撃事件の生き残りで精鋭だ。でも、精鋭と雖も内容を知らないと何も動くことはできない。
 桜策士が重々しく説明し始めた。

「まずは三年前のとある作戦から始まる。結々城神奈の能力『幸運の女神フォーチュン』の強大な力に特殊公安学校の裏生徒会『議長達チェアパーソンズ』は抹殺を考えた。そこで当時大きな勢力だった『闇の名医アスピオス』のリーダーおよび幹部の抹殺を命じた。『闇の名医』は闇社会で臓器売買を生業にしている犯罪者グループだった。その時、リーダーと幹部が日本に潜伏していたのも逮捕のチャンスだった。でも、そこまで実力のない結々城神奈のグループは強くないから簡単に神奈は消える予定だった。だが……『幸運の女神』は強すぎた。全員、死ぬこともなく敵のリーダーの元へ向かうことができた」

「もう、任務は完了と言えるだろう? それがどうした?」

僕が疑問を投げかけると謡以外のみんなは大きくため息をついた。僕と謡以外は真相を知っているらしい。

「そこへ、二人の男女が現れた。そいつらの名前はマルスとアテナというあだならしい。そいつらが榊和と結々城神奈を気絶させ、連れて行ってしまった。ついでに『闇の名医』のリーダー病所健太(ヤマイドコロ ケンタ)を山から突き落として。リーダーは死に、その幹部は逮捕というわけで撤収したのだが……」

「その病所健太が生きていたということか?」
策士が頷く。そして、しゃべるのを続けた。

「彼はさらに能力をパワーアップ、いや変化させたみたいだ。そして、今何かを企んでいる。『神々ゴット・イン・ゴット』はすでにここまで情報を集めて、今は各地に潜伏している復活した能力者を殺しているらしい」

頭部を粉々にされたジャックの姿を思い出した。あそこまで強ければ一人でもやっていける気がするが……。

「病所健太はまだグループ名も名乗っていない、そして公に活動はしていないがすでにいくつかの犯罪グループをつぶしてはいる。早急に対処しないと我々にも牙をむく。復讐という牙を」

確かに、自分の組織を潰されたら怒るだろうな。僕は関係ないような……師匠の弟子だからか? でも、街を半分破壊させるほどの戦闘をしたのだから、もう公にばれているはず。

「そう、だからそろそろ、警察機関や政府に犯行声明が来てもいいぐらいだろう。」

廊下からコツコツという歩く音が聞こえて、師匠の病室の扉がガラッと開いた。

「僕も混ぜてくれないかな? 僕のすべての人格がうずうずしているのでね」

そこには公視総監『鳥栖蜻蛉』が立っていた。
 こりゃ……すごいパーティになりそうだ。