複雑・ファジー小説

Re: 罪とSilencer ( No.98 )
日時: 2013/11/10 22:31
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
参照: 再開

第十七話「ヘブンズ・シックスと名乗る病所健太の居場所」

「まさか、本当に古池陽歌を捕まえてくれるなんて思ってもいなかったッス」

カフェテリアで音更謡と楽しそうにしゃべっている東西南北をみつけると向こうもすぐに気が付いた。戻ってきたことに残念そうな顔つきをしているのは憎たらしい。

「でも、約束は約束なので場所を教えるッス。山梨県の山の奥に廃病院があるらしい。『闇の医者』が崩壊するまで使われていた本拠地だったらしい。そこに復活した死者と共に居座っているらしい。まぁ、このカソセにはメールで依頼が届いたッスけど」

「姿は見たことがないということか……居場所が分かっただけで十分だよ。東西南北、助かったよ」

「どうも、依頼を遂げただけッス」

こうして、風合瀬と僕たち三人はわかれた。若干の嫌な予感を残して……



「さて、次の仕事を探すッス」

「おい、そこのお前」
人気のない裏通りで話しかけられたカソセは後ろを見た。だんだん、顔色が青くなっていく。
「お、お前は死んだはず!」
 実はカソセにはマフィアの暗殺と共に超重要人物の暗殺を要請されていた。その超重要人物とはこの世の犯罪を取り締まっているらしい。カソセの暗殺は敵に気付かれなければやりやすい。
(余裕で殺せたはずだ……)
多額の賞金とこの世の犯罪の現象を望んで、顔写真を見て二人を暗殺した。このカソセが死んでない限りこの二人は完璧に死んだはずだ。なのに——
「何故、私たちが生きているかが知りたいのね」
「そりゃそうだ。この風合瀬瞬輔は気になるだろうな。自分の能力『死想曲メメントモリ』が発動しているのに死んでないのだから」

風合瀬は自分の死を確信していた。こいつらにはこのカソセを瞬殺する勢いと慣れがある!

「ここで、死ぬわけにはいかないッス!!」

 死ぬと思った瞬間に『さっき来ていたあの二人組、音更謡ともう一人達にメッセージを残したい。このカソセが知っている情報を、伝えそびれた情報を伝えたい。あの二人は世界を変えることができるかもしれない。』と本能が動いた。

「うぉぉぉぉ!!」

捨て身覚悟のタックル。武器はもちろんない。ギターを構える隙も与えてくれないだろう。

「教えてあげるわ。私たちはパブリックドメインを幾つも持っているのよ。これを冥土の土産に差し上げるわ」
余裕そうな顔つきでにこやかに笑うと、そばの男が風合瀬に腕を向けて言い放った。
第二次世界大戦ザ・ワールド・ウォー!」

激しい閃光が風合瀬に降り注ぎ、三戟紫炎と音更謡にメッセージを残せたか心残りがありながらも風合瀬の意識はプツリと途絶えた。

人物,風合瀬東西南北
能力, 『死想曲』(メメント・モリ) ——死亡——