複雑・ファジー小説

Re: 世界と一緒だから ( No.10 )
日時: 2012/07/18 18:14
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)

【壱話め。 君のためと綺麗事を言う僕を許してください 3】


 昼食をむさぼるクラスメイトたちをぼんやりと見つめていて、目についたものがあった。机をくっつけて談笑している、大規模な女の子グループかっこわらい、の中の一人だ。そいつは、無理矢理に口角を上げて愛想笑いを作り、カラフルなだけで大して美味しくなさそうな弁当を、ちびちびと口に運んでいた。確か、一年の頃にいじめにあってた子だっけなぁ、と思い出して軽く目を細めた。彼女と一緒にいる奴らは、性格や素行が悪いことで有名な奴らばかりで、かわいそうだなぁと思った。が、助ける気は微塵もない。世界を守るのに、邪魔になるようなものには関わりたくない。ひどい奴だ、なんて言われなくてもわかっている。

「……えぇと、あの。なんか、うん。待たせてごめんな?」

 視線を元に戻すと、世界も星野も机をくっつけてお弁当を広げていた。星野は、「しょうがないなぁ、君は」なんて少し柔らかに笑っている。先に食べていてくれても構わなかったのに、という本音は飲み込む。仮にも、待っていてもらった立場だし。自分が常識人でないことくらいは理解しているけれど、進んで非常識で無礼な人にはなりたくないし。