複雑・ファジー小説

Re: 世界と一緒だから ( No.18 )
日時: 2012/07/25 20:03
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)

【弐話め。 ごみ箱行きのラブレター 2】


「で、君のお弁当の話なんだけどさぁ。よかったねー、またいじめられっこ生活に逆戻りじゃん。いじめっこ……湯本さんだっけ? あの子の作る泥や虫の入ったお弁当食べるのと、どっちがいい?」

 笑いながら首をかしげてみるけれど、クラスメイトの少女は肉食獣を前にした小動物のように、ぷるぷると震えているばかりでうんともすんとも言わない。困ったな、とため息を吐くと一歩後ずさりされた。いやいや、そこまで怖がらなくても。

「んー、じゃあ。どっちもイヤ?」

 そう問いかければ、やっと小さく頷いてくれた。反応してくれたことに、ホッとする。しかもその答えは、求めていた答えそのままだった。なんだか嬉しくなって、猛スピードでフェンスをよじ登る。なんて、低い。

「こっちにおいで」

 クラスメイトの少女は、しばらくどうしようかと戸惑っていたけれど、目があった瞬間弾かれたようにフェンスに登り始めた。やっぱり、生存本能の強いウサギだ。

「ねぇねぇ、いい景色だね。この中で死ねたら、気持ちいいよね」

 おびえた様子で、不安定なフェンスの上に腰掛けたクラスメイトの少女に話しかける。