複雑・ファジー小説

Re: 世界と一緒だから ( No.19 )
日時: 2012/07/26 11:25
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)

【弐話め。 ごみ箱行きのラブレター 3】


 死ねたら、気持ちいいよね。その言葉に、クラスメイトの少女は目を見開く。まあるい目が、こぼれ落ちそうだ。冗談だ、とでも言ってほしそうな目で見られているが、そんなこと言ってあげない。だって、本気だもん。

「そうだなぁ、クイズに正解できたら、助けてあげる」

 そう、きまぐれに言うとクラスメイトの少女は少しだけ、表情を明るくする。わかりやすいなぁ。

「問題です。この手袋は、なんのためにつけているんでしょうか」

 ひらり、と左右の手を振ってお気に入りの手袋を見せる。黒い手袋は、使い勝手がとてもいい。クラスメイトの少女は、泣きそうな顔でうつむく。どうやら、答えがわからないみたいだ。あまり、じらしておくのもかわいそうだ。へらへらと笑いながら、少女の近くへと座り直す。

「残念でしたー。正解は、お前らみたいな塵屑どもに素手で触らないようにするためでーす」

 明るい声で言うと、ついに少女の目の端からポロリと涙がこぼれた。事実を述べただけで泣かれるとか、理不尽すぎてイライラする。確かに、意地悪は少しした。でも、泣かれるのはヤだ。こっちが悪いみたいで、気分悪いし。