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複雑・ファジー小説
- Re: 世界と一緒だから ( No.27 )
- 日時: 2012/08/01 13:24
- 名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)
【参話め。 オトコノコの事情 4】
時野と星野、それぞれの反応を見て小さくため息をついた。本当に苦手だとしたって、あからさますぎるだろお前ら。なんて思いながらも、僕も思わず小さく身構えた。仕方がない。だってアイツは……。
「うわぁ! 竜胆さんが朝なのに起きてる! おはようございます! ついでに、終さんも始さんもおはようございます! 今日は、代沢さんと一緒じゃないんですね! ちょっとうれしいです! あ、手ぇ触ってもいいですか! 竜胆さん、どうしたんですかぁ? 竜胆さん!」
ばたばたと駆け寄ってきたソイツに、げんなりとしてため息を吐いた。だから嫌だったんだ、コイツと顔を合わせるのは。
僕の手を握りながらきゃーきゃー言っているソイツを、さりげなく見る。黒い、レースやチェーンのついたゴテゴテのワンピース……いわゆるゴスロリ服を着ていて、足元の上履きはヒール付きに改造されている。手には、上品な肌触りの黒い皮手袋をつけていて、長い黒髪は艶やかに光っている。いくら私服校だといっても、やりすぎじゃないのかと言いたくなるような服装だ。それが許されているのはコイツが見た目だけは、お人形のように可愛らしいからだろう。
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