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複雑・ファジー小説
- Re: 世界と一緒だから ( No.32 )
- 日時: 2012/08/04 18:01
- 名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)
- 参照: 四だけPSPだと大字が出なかったよorz
【四話め。 愛情と狂気は紙一重 1】
休み時間。普段なら、僕の席を取り囲む世界、星野、時野と他愛もない会話をしているのだけれど、残念ながら三人ともすうすうと気持ちよさそうに眠っている。何もすることがないから、机に伏してぐるりと教室を見回す。黒板に何か書いてるバカ、ゲームやってる奴、教室の中央には花の置かれた机。……兎崎の机だ。星野が持ってくる色とりどりな花束が、彼女の死を主張している。忘れるなと、刻みつけろと言うかのように。
視線を移して、それを避けるかのように端によって会話をする、女子グループを眺める。心なしか、覇気がない。まぁ、当然かとため息を吐く。彼女たちのリーダー的存在の少女は、つい数日前に退学になったのだから。王を失った民のようなその姿は、ひどく滑稽だった。
『……ボク、昨日見ましたよ? 5限目に旧校舎の屋上に人がいたの。こう見えても、視力1.5なんですよー? 多分あれ、あずまさんと有香さんでしたよ?』
一週間前。兎崎の死んだ次の日に、黒谷が言った言葉だ。あっさりと、そんなことかとでも言うような口調に、星野も時野も目を丸くしていた。
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