複雑・ファジー小説

Re: 世界と一緒だから ( No.34 )
日時: 2012/08/09 20:35
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: 49KdC02.)

【四話め。 愛情と狂気は紙一重 3】

「く、久谷くん!」

 なんか、なんでもいいやー、と自分も眠りにつこうとするといきなり声をかけられた。寝ようとしたところを邪魔され、イラッとして顔をあげるとそこには、学年内でも人気の高い(と星野が言っていた)女子が立っていた。何故か世界をチラチラと見ながら、何か言いたげに口を開いたり閉じたりしていた。……言いたいことがあるなら、さっさと言ってくれないかなうざったい。

「久谷くんはその……、白沢さんと、付き合ってるの……?」

 消えそうな声で、女子が言う。他にも何人かが、こちらの様子をチラチラと見ているのがわかる。告白でもする気なんだろうかと思いながら、目を細めて目の前の少女を見る。名前すら覚えられていない相手に、それを知らないとしても恋心なんて抱けるのか。馬鹿みたいだ。

「付き合ってなかったとしたら、どうすんの?」

 首を傾げ、薄ら笑いを浮かべながら問いかけると女子は、頬を薄桃色に染めてうつむいた。あぁ、なんだ。この子も見た目ばっかの、中身スッカラカンか。くっだんねぇ、と笑みをうかべると女子は益々頬を赤くした。……ばっかみてー。