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複雑・ファジー小説
- Re: 世界と一緒だから ( No.7 )
- 日時: 2012/07/16 20:14
- 名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)
【壱話め。 君のためと綺麗事を言う僕を許してください 2】
世界へと姿を変えた僕もどきは、苦しげに顔を歪めて僕を見る。ばっかだなぁ。なんて口元を歪めてみたりして。僕もどきのくせに僕のことを、なあんにもわかっちゃいない。僕はその、ひどく汚い世界の顔が大好きなんだ。
ぐっ、と手に込める力を強くすれば僕もどきは揺らめいて消えていく。そろそろ、お目覚めの時間のようだ。残念さも残るが、まあ仕方がないよね。ぼんやりと自分の手を見つめていると、いつの間にか世界が目の前にいた。がやがやとうるさい教室が、現実だぞーと主張している。
けだるい頭を無理矢理持ち上げると、世界が呆れたように笑った。世界だけじゃなくて、時野と星野もだ。よく寝てたね、なんて言って苦笑いだ。なぜかみんな、片手に弁当やらコンビニの袋やらを持っている。おかしいな、眠った頃は二限目の終わりくらいだったんだけど。首を傾げれば、星野がまた笑った。
「寝ぼけてんな。今はもう、昼だ」
飯食おうぜ、なんて言った星野の言葉にうなずく。よくよく見れば、クラスの奴等はどいつもこいつも楽しげに昼食をむさぼっている。
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