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複雑・ファジー小説
- Re: 不死鳥の少女 サキュリナ ( No.18 )
- 日時: 2012/11/01 00:11
- 名前: からあげ ◆L/fXxGshUc (ID: PJ6eXMON)
少女は赤い靴を履くと、森を歩いた。歩きながら、彼女は木の幹に近づいてみたり、小動物を見かけては話しかけたりしていた。時にはくるくると回るように森の上を歩いていた。
「迷わないのかい?」
その後ろを歩く、ケヴィンが苦笑しながら尋ねた。サキュリナは振り返ると、
「大丈夫。私、いつも森を散歩しているから」
「そりゃ素敵だ。しかし、飽きたりしないのかい? どこを見ても、木ばっかりだ。澄んだ空気もいいが、俺ならもっと便利なところに住むね」
サキュリナはケヴィンのほうへ歩み寄ると、
「ここもいいところよ。不便だけど、他にはないものがたくさんあるわ」
「たとえば?」
その時だった。近くの木々の間から、数羽の小鳥達がサキュリナのほうへ羽ばたいてきた。赤、白、青、黄色……さまざまな色の小鳥達だ。なんとその小鳥達はサキュリナの肩や頭にとまると、戸惑うケヴィンの顔をじっと見つめた。
「君はマジシャンだったのかい?」
驚きを越えて唖然とするケヴィンに対し、一方のサキュリナは勝ち誇ったような笑みを浮かべている。
「素敵でしょ? この子達、何故か私のことを怖がらないの。私をこの森の住人として、認めてくれているのかしら?」
「……そりゃめでたい」
気おされるケヴィンをよそに、サキュリナは小鳥達を引き連れたまま再び歩き始めた。頭や肩の上に乗っかった小鳥達は、まるでそこが自分達の巣であるかのように錯覚しているようだった。彼女が華奢な手を差し出すと、それを枝と見間違えたかのように小鳥達が足をとめ、とりまきのように彼女のまわりと数羽の小鳥が羽ばたいていた。
はじめて見るその異様な光景に、ケヴィンは驚きを隠せないでいたが、
保留
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