四月一日。四月馬鹿。嘘つきの日である。そしてそれは鎌奈佳夢と押崖愛子との二人にとって特別な日ではあった。嘘のようで嘘ではない、でも、嘘かもしれない。そんな日々の始まりであった。それが、何を意味したところで。それが、とてつもないような話だったって。それは。とある喜劇の始まり。とある物語のプロローグ。とある英雄譚の序章。とある何でもないような日常の予兆。