複雑・ファジー小説

Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【何か新キャラ出てきた】 ( No.102 )
日時: 2012/08/14 23:45
名前: 純金リップ (ID: EfKicuSN)
参照: 早くバトルパート突入しねえかな...。

「ねえ...。」
「ん?」
「この家に来て、私なにをすればいいの?」
「え。そうだな...。まぁ、適当に菜夢とかと遊んでやってくれ。
俺じゃ相手できない。」
「そ、そう。わかった。で、どこに向かってるの?」
「ここの主。」
辿りついたのは、これほどまでにかという程に大きい部屋。
その中心にいたのは、やはり権砕であった。
「連れてきましたよ、ひいおじいちゃん。」
権砕は腹筋をしていた。
そう言えば、権砕の最近のマイブームは筋トレであった。
権砕は腹筋の動作をやめ、こちらを見る。
「おお。よくいらした。」
「お、お邪魔して、ます。」
二人は権砕の前へ座った。

「いやあ、話は聞いておるよ、押崖さん。」
「そうですか。」
「まあ、佳夢の大きなお世話に付き合ってくれて、すまないの。」
権砕は深々と頭を下げる。
佳夢の方は、マズイという風な顔をしている。
「佳夢。お前からもお礼を言いなさい。」
「ええっ!」
「いや、いいんです!私のためでもありますし!」
「それでもそちらの事情がいろいろあるのに...。
申し訳ない...。」
「...。」
深々と頭を下げる権砕を見かねて、佳夢は恥ずかしそうに顔をそむける。

権砕は顔を上げると「さて」と話をはじめた。
「押崖さんが来たのは、どういう用件で?」
それには、佳夢が答えた。
「だから、押崖は遊びに来ただけだです。」
「そうなのか?」
「そうです。」
だから、別にここに連れてこなくとも良かったのである。
「なんだ、彼女ではないのか。」
「違うって!」
「お前ときたらフラグを建築するのだけは昔から得意で...。
死亡フラグも、生存フラグも。」
「そんな特技は在りません!」
楽しそうに話す、佳夢と権砕。
そんな曽祖父と曾孫の楽しそうな会話に愛子が入れる間がなかった。
だが、それをみて、たのしそうだな、とは感じた。

権砕の部屋を出て佳夢はため息をついた。
「ゴメン。あんな感じのひいじいちゃんで。」
「いや。いいよ。楽しそうだったし。」
「そうか。なら、まあ、いいや。」
佳夢は安堵したような表情をした。
「で、これからどうすんの佳夢君?」
「う〜ん。取りあえず荷物は俺の部屋に置いといて。」
「佳夢君の部屋?」
「ああ。ここをまっすぐ行って、右に曲がって、まっすぐ行って、
そのあと突き当り右に曲がり、まっすぐ行けば俺の部屋だから。」
「うん。...って、私一人で行くの?」
「おお。俺はちょっと用事があるから。」
「えっ!?」
「我が家と思って待っていろ。まあ、帰ってもよし。俺の部屋にこもるもよし。
あ、それはどうだろう。」
などと独り言をつぶやきながら、佳夢は一人歩いて行って左に曲がった。
ふと我に返り、追いかける。
「ちょっと、佳夢君!」
佳夢がまがった角を左に曲がると、すでに佳夢はいなくなっていた。
「えー...。」

午後二時。
愛子を残し、家を出た佳夢は、ある場所へと向かっていた。
敷地面積の広い公園に着いた、佳夢はあたりを見回す。
そして、視界に入ったのが、一際目立つ、顔の半分を包帯で隠している男だった。
その男はベンチに座っていて、包帯の撒いてるほうだけがこちらから見えている。
それこそ、目的の人物であった。
佳夢はその男に近づいて、その男の隣に座る。
男は佳夢に気付いたのか、顔をこちらに向ける。
「どうも。」
「どうも。」
「いきなりお呼び出ししてしまってすいません。」
「いいえ。まあ、机の上に手紙が置いてあったときはぞっとしましたが。」
さらされている右半分の顔からして二十代後半の男であった。
猫のような目をしており、黄色い瞳でこちらを凝視している。
「目立つ顔をしているとは、言ってましたが、
こんなのだとは思っていなかったでしょう。」
男は自嘲するように言う。
「そうですね。でも、なかなかカッコいいですよ。トゥーフェイスみたいで。」
「トゥーフェイスよりかはポイズン・アイビーの方が好きです。」
「奇遇だ。僕もですよ。」
和やかな会話だが、二人は笑いもしなかった。

「自己紹介が遅れました。私。天都 明太という者です。
九番目の〝隠者〟を務めさせていただく所存でございます。」
そう言って明太は服の裾からタロットカードを取り出して、こちらに見せた。
「...他の二人は、カードは見せませんでしたが。」
「すいません。あの二人は少々適当な部分がありまして...。
きつく言っておきます。」
「いやそこまでは...。」
真面目なのは良い事だが、それが変な方向へ働くタイプのようだった。
「で、今回、面会させていただいたのはですね、
恐らく、あなたが知りたがっている情報です。」
「それって...。」
「はい。斧間陣呉さんの事についてです。」