複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【もはや迷走中】 ( No.138 )
- 日時: 2012/09/05 23:59
- 名前: 純金リップ (ID: Q.36Ndzw)
四月三日。
それから一日立った日の事。
親を失った愛子は、親戚の家へ引き取られる事になったのだが。
しかし、その親戚は現在九州にいるとの事であった。
現在その親戚は東京へ向かっていて、
今日の午後には迎えに来るそうであった。
その間だけ、愛子は鎌奈家に泊まる事となった。
ただ、その前に佳夢にはしておきたいことがあった。
玄関で靴を履きながら鼻歌を歌っていると、
後ろから真夢の声がした。
「あれ、どしたの?お兄ちゃん。こんな朝から。」
「うん?いや、ちょっとお出かけ。」
「お出かけって...。キモッ。」
素直に気持ち悪がられ少しショックであるが、
そんなことを気にしてる暇はなく、佳夢は立ち上がる。
「じゃ、押崖の事よろしく。」
「うん。」
真夢の返事を聞いて佳夢は外に出ようとする。
しかし、真夢のか弱い呼び止める声が佳夢の足を止めた。
「お兄ちゃん。」
「ん?」
「お兄ちゃんやっぱり、愛子さんの事好きなの?」
佳夢は少し考えて振り返る。
「さぁ。それを今から確かめに行くんだ。」
「ふうん...。惚れっぽいからねお兄ちゃん。」
「うるせぇよ。」
丁度その頃、愛子は目を覚ました。
窓から差し込むかすかな光から、今が朝だと知る。
「おはようございます...。」
誰に言うでもなく、挨拶をして、起き上がる。
そして、そういえば鎌奈家に泊まっていたのだと思い出す。
他人の家に泊まるのはあまりなれていなかったので、不思議な感覚だ。
しかし、なかなか昨日の事が思い出せない。
思い出せないのか、忘れようとしているのか。
その答えを導き出す前に、誰かが部屋のドアをノックした。
「...どうぞ。」
愛子が言うと、ドアはゆっくり開いた。
「おはようございます。愛子さん。」
「あ、菜夢ちゃん。おはよう。」
「朝食、できましたよ。」
「わかった。すぐ行くね。」
菜夢はそれを聞いて頷き、部屋を出て行った。
そこでやっと思い出した。
昨日の出来事を。