複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.165 )
- 日時: 2012/11/17 23:45
- 名前: 純金リップ (ID: Q.36Ndzw)
- 参照: 阿美香さん登場
「そういえばさ。」
愛子は急に話題を切り替えたかと思えば、
少し身を乗り出してきた。
「佳夢君のお母さん帰って来たんでしょ?」
それを聞いて、佳夢はむせた。
「ちょっ...、大丈夫?」
「あ、あぁ。...知ってたのか、それ。」
それは昨日の事であった。
深夜一時くらい。
ちょっとばかり勉強をしていると、
既に日が沈んでいて、
佳夢は寝ようとした。
しかし、いきなり「ただいまー」と、声が聞こえてきた。
そして、その声に鳥肌が立ち、
佳夢は、急いで玄関へ駆けつけた。
玄関に、黒のハイヒールが無造作に脱ぎ捨てられていた。
「こ、これは...。」
続いて、台所へ向かうと、冷蔵庫が開けっ放しになっていた。
これで佳夢は確信を得た。
そして、とある部屋へ向かう。
そこには細長いテーブルがあって、
佳夢などは大体そこで朝食をとる。
鎌奈家は、敷地面積が広く、人数が多すぎるので、
食事を食べる場所が分けられているのだ。
ただ、夕食はたまにみんなで集まって食べる。
そして、その食事部屋の一つ、
佳夢が普段食事をとっている部屋に、
佳夢の母、鎌奈阿美香であった。
鎌奈阿美香。
四十三歳。女。母。外交官。獅子座のB型。
五児の母。鎌奈家の女では、恐らく最強。
一族きっての自由人。
「か、母さん...。」
「お、佳夢。」
佳夢達に受け継がれた真っ黒な髪に、
MIBを思わせる黒いスーツ。
阿美香は左手を上げ、ヨッと挨拶をした。
右腕にはなぜかギプスを装着しており、
佳夢は軽くめまいがした。
「こんな夜遅くまでなにしてんの?勉強?」
「まぁ...。」
「えらいねー。流石受験生。」
「...えっと、そんな事より、母さん。」
佳夢はテーブルの上に置かれた泡盛のびんと、
大量に置かれたおつまみに目をやる。
「それは...。」
「いやぁ、仕事後の酒は美味いねー!」
「駄目だこの人!」
阿美香はにやっと笑い、
手招きをした。
「あんたも飲みな。」
「いや、俺学生だから。」
「関係ないって。ほら、座りなよ。」
「子まで駄目にする気か!?」
相変わらずの態度に、
佳夢は呆れる。
「そんなしおれなくたっていいじゃない。
あー、早く子どもと酒飲みたいなー。」
「それ、まるっきり親父の言う台詞。」
「無理よ。夢我ちゃんお酒弱いもの。すぐ酔うわよ。」
夢我ちゃんとは、阿美香の夫であり、
佳夢の実の父の事である。
「まぁ、昔はその勢いで」
「ストップ!聞きたくない!聞きたくないから!」
あきらかに引かれるであろうネタを、
佳夢は精一杯に止める。
「なによ。そうだ。あんた彼女とかいないの?
あ、ここに先月から住んでる子は?」
「押崖はちげーよ。って、なんで知ってるの!?」
「そりゃ、菊花から聞いたのよ。」
「口軽いなオイ!」
いずれバレるにしても、
菊花だと色々と脚色を加えていそうで、
恐ろしく思った、佳夢だった。