複雑・ファジー小説

Re: 【早速オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族 ( No.19 )
日時: 2012/07/27 23:42
名前: 純金リップ (ID: EfKicuSN)

「へぇ〜。ほんなら彩奇姉さんが殺されたんは虐殺師の所為っちゅーわけかいな。」
「あぁ。間違いない。」
佳夢が見た死体。
虐殺のほかに名付け難いような死にざま。
犯人は間違いなく虐殺師だ。

「しかし、ホンマむかつくなぁ、そいつ。」
「え?」
「...なぁ、佳夢?爺さんは手を引け言うてたけど、どうするん?」
「どうするも何も...。」
佳夢はそこでいったん言葉を切った。
「手を引くわけないだろ。」
佳夢がそう言うと、菊花はニコリと笑った。
「それでこそ佳夢や。ワシは安心した。んじゃ、また今度。」

その日の夜。
部屋で勉強をしていると誰かが部屋の扉を叩く。
開けてみると。
「おーっす。佳兄。」

鎌奈裏夢。
十五歳。この時まだ十四歳。男。弟。中学生。牡羊座のO型。
多種多様な趣味を持つ。鎌奈家にしては普通の学生。
一族きっての運動神経。

「裏夢じゃん。どした?」
「いやぁ、勉強教えてもらおうと思って。」
「残念ながら兄は自分の事で大忙しだ。よって無理。」
佳夢は勢いよく扉をしめようとした。
しかし、裏夢は持ち前の反射神経で、それを足で止める。
「いやいやいやいや佳兄!教えてよ!お願いだから!」
「嫌だね!絶対に嫌だね!つーか怪しいんだよ!」
暫く互いに譲らず、すさまじい我慢対決をしていた。
しかし、ある女の登場によって、勝負は打ち切られる。

不意に後ろから腕が現れ裏夢の首を絞める。
「うぐっ!」
それによって扉はしまったが、何があったのか確認するため、
佳夢はそっと扉を開ける。
「裏夢兄さん、私のプリン食べたでしょ。」
菜夢だった。
菜夢が、裏夢の首を掴み、引っ張っていく。
「し、知らない!知らない!」
「言い訳は署で聞くわ。」
「ごめん!ごめんってば!」
「謝るってことは認めるのね。」
「痛い!やめてくれ!ねぇ!なーちゃん!痛いから!」
「そうですか。それは何より。」
佳夢は引きずられて連れて行かれる裏夢を見ながら合掌した。
食べ物の恨みは怖いと、改めて感じた。