複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.208 )
- 日時: 2012/11/27 22:31
- 名前: 純金リップ (ID: qUfyS13Y)
- 参照: 久しぶり本編
「大体よぉ、何だよあの偽物野郎。」
「あなたも、大変ですね。」
明太は佳夢と背中を合わせながら笑う。
前にあった公園のベンチで、二人は会話していた。
特に目的もなく。
「ったく、自分は刻夢だとかなんだとか言いやがって。」
「そんなに似てないんですか?」
「いや、そっくり。」
「じゃ、何故偽物とわかるんですか。」
佳夢は少し考える仕草をして、答える。
「兄弟だから。」
「...単純ですね。」
明太はクスリと笑う。
「そんなお疲れな貴方に、少しお力添えをしましょう。」
「あ?」
「その男が誰だか、心当たりがあります。」
「...は?」
佳夢は後ろにいる明太の方を振り返る。
明太はニヤニヤと笑って、
佳夢の反応を楽しんでいた。
家に帰った佳夢はあまりいい気分ではなかった。
正直、なんだか気持ち悪かった。
佳夢はつい昨日まで、あの刻夢もどきのやってることは、
ただのおふざけだと感じていた。
「あ、佳夢君おかえりー。」
玄関で笑顔で迎えてくれた愛子にも上手く反応できず、
うつむいたまま通り過ぎる。
「ちょ、佳夢君?」
「すまん、押崖。ちょっとだけほっといてくれ。」
「...うん。わかった。」
「ありがとう」と言って、佳夢は自室を目指す。
その途中ですれ違った真夢を呼び止め、
菜夢を連れてくるように言う。
本来は裏夢、あとは九六も含めた五人で、
あの男の元へ向かいたかったが、
二人は生憎入院中だ。
無理に引っ張り出すことはできない。
やがて部屋に来た真夢と菜夢を迎えた佳夢は、
二人を座らせて、それに向かい合うように座る。
「...用って何?お兄ちゃん。」
「早く言ってくれないかしら。」
「お前ら、明日空いてる?」
二人は顔を合わせて、それから頷く。
「ならよかった。一緒に来てほしい所がある。」
「...本当に私たちが必要なの?」
「あぁ。なんだか、俺たちで片づけなきゃいけない気がしてな。」
暫く沈黙が続く。
菜夢と真夢は何の事だか、全然分かっていないだろう。
しかし、ちょっとして。
「わかった。行くよ。」
と、真夢が言った。
その表情は今までの真夢よりも頼もしい顔だった。
「なら、私も行くわ。」
菜夢も立て続けに了承する。
「...ありがとう。」
佳夢は二人に頭を下げる。
「いーよ。全然。平気だって。」
「悪いと思うなら、今度ドーナッツをおごってもらおうかしら。」
「...わかったよ。」
佳夢は苦笑いしながら了解する。