複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.220 )
- 日時: 2013/01/10 23:53
- 名前: 純金リップ (ID: qUfyS13Y)
「ただいまー。」
家に帰るころには、
すでに夕方になっていた。
家を出たのが、十二時くらいだったので、
実に五時間ほどの買い物である。
それでも、夕飯はまだなので、
一応怒られはしなかったが、
遅くなったのはおもに、
佳夢と梓の言い争いが原因だった。
「今度からは自重してね、佳夢君。」
「なんで俺だけ...。」
嫌そうな顔をする佳夢。
もちろん、悪いのは佳夢だけではないが、
梓はそれなりに反省していた。
「あのさ、他国の言語で喧嘩しないでよねー。
何言ってるかわかんないんだから...。」
「今度教えてやろうか?」
「けっこうですっ。」
少し怒った態度で、
佳夢の先を歩いて行く。
気まずい雰囲気になり、
その後は会話をせず、
それぞれの部屋に戻った。
部屋で佳夢は、ベッドに横たわりながら、
「う〜ん」唸りながら、と伸びをする。
「...あとで謝っとくか。」
愛子がああやって怒るのは珍しく、
少し気に咎めていた。
誰かが部屋の扉をノックした。
「はいはい。」
ベッドから跳ね起き、
渋々ドアを開ける。
ドアを開けると、
そこには帆花が立っていた。
「帆花さん?」
その表情は今にも泣きそうで、
困り果てている感じであった。
「あ、うっ、佳夢君...。助けて...。」
「ちょっ、なんですか?」
「る、留理ちゃん...。」
「え?留理?」
留理とは、佳夢のいとこで、
佳夢の母の姉に当たる、
小鳥遊有美香の養子である。
所謂、捨て子というやつで、
それでも、なかなか優れた人物ではあったのだが...。
「で、留理がどうしたんですか?」
「わ、私、留理ちゃんの引きこもりを
どうにかしてって、頼まれて...。」
「あー...。」
それは、良さそうで
全然ダメなチョイスだと、
佳夢は思った。
留理は今現在引きこもりで、
四年前からそうである。
親族も前々からどうにかしなくては、
と考えていたが、
なかなか、手が出せない。
帆花が選ばれたのは、
恐らくは保育園の先生をやってるからだろう。
しかし、相手が保育園児だから、
帆花さんは今の仕事をしているので、
ヒキニートなど対象外であった。
「...わかりました。どうにかしますよ。」
「ほっ、本当...!?」
ほっとしたような表情を見せる帆花。
「やるだけやってみせます。」
そして、午後六時。
佳夢は留理の部屋へ向かった。
留理と話すのは、実に四年ぶりだ。
失礼のないよう、
ドアをノックした呼びかける。
「入るぞ。留理。」
開けてみると、部屋は真っ暗で、
その中心で、パソコンの光だけが、
明るく光っていた。
「おい、留理。話がある。」
呼びかけると、留理は振り返る。
「なん、ですか?」
小鳥遊瑠璃
十八歳。女。いとこ。ヒキニート。天秤座のAB型。
ヒキニート歴、四年。コードネーム『瑠璃嬢』
一族きっての機械少女