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複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.223 )
- 日時: 2013/01/14 21:24
- 名前: 純金リップ (ID: qUfyS13Y)
「あなた、は、佳...。えっと、なんでしたっ、け。」
留理の喋り方はぎこちなく、
まるで機会と喋っているようだ。
「佳夢だよ。佳夢。というか、何だその喋り方?」
「これ?ああ。もう、四年間も、人と話してないから。
変に、なっちゃったの、かな?」
思ったより手ごわい相手だと、
佳夢は感じる。
変人なのは鎌奈家の血筋なのでいいとして、
だが、いくらなんでも格が違う。
(いや、基本は常識人の筈だ...。)
「で、何か、用?」
留理が問いかけてくる。
「いや...。えっと...。」
どういえばいいのか分からなくなり、
言葉に詰まる。
「その、お前ももう十八だろ?
だから、いい加減引きこもりをやめろって——」
「なんで?」
「なんで、って...。」
やはり、すこしやりにくい。
「僕が、外に出なくちゃ、いけない、理由、あるの?」
「理由とかじゃなくて、そういうの人間的に駄目だろ?」
「わかんないよ。」
どうしてここまで、外に出るのを拒むのか、
佳夢にはハッキリ言って分からない。
実を言うと、佳夢も天都紘一が殺害されてから、
ずっと部屋に引きこもりっぱないしだったのだ。
精神的ショックで、何もしたくなかった。
だが、留理ほど外を拒んだわけではない。
むしろ、どうにかせねばと、
自ら外に赴こうともした。
恐らく、留理から引きこもる理由を聞き出そうとしても、
それは無駄というやつだろう。
(どうしたもんかな——)
少し考えて、
佳夢は結論を出した。
「留理。明日外に出よう。」
「え?」
「いや、意地でも出させる。覚悟しておけ。」
「ちょ、佳夢さん、待って」
留理の言葉を一切無視し、
佳夢は部屋の扉をぴしゃりと閉めた。
「佳夢君...。うまくいった?」
後ろから帆花に聞かれて、
佳夢は肩をすくめた。
「さぁ、どうでしょうね。」
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