複雑・ファジー小説

Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.228 )
日時: 2013/01/12 00:12
名前: 純金リップ (ID: qUfyS13Y)

しかし、出掛けるまでの時間はまだ十分にあり、
佳夢は暇潰しに廊下を徘徊していた。

すると、さっそく声を掛けられた。
「あ、よっしー。」
声のした方向を向くと、
中庭に、鎌奈由樹が立っていた。

鎌奈由樹
十歳。男。はとこ。学生。魚座のB型。
好きなもの、雨。旧名、阪井由樹。
一族きっての運の良さ。

由樹もまた、鎌奈家の養子であり、
佳夢のはとこに当たる人物だ。
随分と佳夢を慕っており、
その事を佳夢も悪く思ってはいない。

「どうしたの、そんなシャレオツな格好して。」
「いや、この後出かけるんだ。」
「へぇ。あ、じゃあ、デート?」
「いや、ないない。」
佳夢はすぐ否定したが、
よくよく考えると、あながち間違っていない。

「なんなら、由樹も一緒に行くか?」
「何処に?」
「いや、それはわからん。留理に決めてもらう。」
「留理?それって、留理ねーちゃんのこと?」
佳夢は頷く。

由樹はちょっと考えてから、
被りを振った。
「いいや。行かない。アニメイトとか行きそうじゃん。」
「なぜアニメイトを知ってるのかはしらんが、
流石にそれはないだろう...。」

そんな話をしていると、
廊下を歩く足音が聞こえてきた。
一瞬、誰かと思ったが、
よく見ると、それは留理だった。

「...。」
普段のイメージとのギャップに、
佳夢と由樹は驚いた。
その姿は、アイドルほど可愛いと言っても、
過言ではないほどだ。

留理は二人の前で止まり、
その姿を二人に見せつける。
「あの、こんなんで、いい?」
昨日の喋り方とあまり変わらないが、
少し照れている気もする。

唖然としていたら、
由樹が佳夢の脇腹をつついた。
そして小声で囁く。
「ほら、なんか言おうよ、よっしー。」
その言葉で、佳夢は我に帰る。

「あ、あぁ!いい感じじゃんか。うん。ばっちりだ。」
緊張でうまく喋れなかったが、
正直な感想を伝えられた。
留理は恥ずかしそうに俯いて、
その場を小走りに去って行った。

「ねぇ、よっしー。」
「なんだ。」
「僕、あんな感じの彼女が欲しいな。」
「駄目だ。お前にはまだはやい。」