複雑・ファジー小説

Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.230 )
日時: 2013/01/14 21:50
名前: 純金リップ (ID: qUfyS13Y)

愛子が商店街に来たのに、
本当に意味などなく、
ただの気紛れだったのだ。

と言っても、
愛子はこの商店街は好きだし、
特にこの先にある本屋は、
週に一度のペースで通う程だ。

「あ、愛子じゃーん!」
いきなり背中を叩かれ、
強い衝撃が背中に走った。
振り返ると、高校の友人、
美沙と夏子が立っていた。

「おひさー!」
夏子が片手をあげて、元気にあいさつする。
多分、背中を叩いたのも夏子だろう。
スポーツマンである彼女は、とにかく力が強い。

「元気だった?愛子?」
美沙はおしとやかな笑みを浮かべ、
周りにほんわかムードを漂わせている。
美沙の周りにいると、
自分まで柔らかな性格になりそうで、
これをひそかに美沙ゾーンと名付けている。

「二人とも、宿題とかやった?」
夏休み特有の話題を振ると、
二人は苦い顔をした。
「いやぁ、全然...。」
「わ、私も。」
「だろうねー。」

愛子は三人の中では勉強ができ、
宿題ももう半分は終わっている。
「だって、まだ八月入ったばかりだよ?」
「そうだぜー、愛子。」
「流石に一個もやってないのはマズイ。」

そう注意すると、
夏子は何故か得意げな顔をする。
「一個は終わったし!」
「へぇ?何を?」
「音楽のリコーダーの練習!」
「そんなのは一個の内に入らない。」

きっぱり言われ、
急にテンションがおっちる夏子。
愛子はやれやれといった表情をする。

「そういえば、愛子はこんなところで何を?」
「んー?いや、特には...。」
「だったら、一緒に行かない?」
「どこへ?」
「期間限定のすいかアイス食べに!」



一方その頃、
佳夢と留理は、本屋にとどまっていた。
奥の方まで行き、
留理は本をじっくり見ていた。

「わぁ!カゲ●ウデイズだ!こっちは、カン●レラ!」
まるで子供の様に目を輝かせる留理は、
今までに見たことがないので、新鮮だった。
先程から「すごい」を何回も繰り返していて、
すごく興奮してるのが窺える。

だが、留理の表情が一瞬にして曇った。
「あっ、でも、お金...。」
そういえば、留理はお金を持ってるか確認していない。
むしろ、貰ってるのかも怪しい。

「留理。お小遣いとかは?」
「もらってない...。」
そりゃ引きこもってるから、
とかは言えない。

しょうがなさそうに、
佳夢はため息をつく。
「分かった。買ってやるから。」
「え!?えっ!?」
「ただし、一冊だけだ。」
「ありがとう!佳夢!」

(連れてきて正解だな)
佳夢は、ひそかにほほ笑んだ。