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複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.231 )
- 日時: 2013/01/26 23:53
- 名前: 純金リップ (ID: 5Yz4IUWQ)
- 参照: 今回短め
本を買って、
佳夢と留理は本屋を出た。
すると、予想以上に人が多くなっていた。
「うわっ、こりゃすごい」
「今日、なにか、あるの?」
「ん〜、わからん。ま、いいや」
そして、佳夢は留理の手を取り、
歩き始めたのだった。
「え?え?」
あまりの出来事に、留理は戸惑う。
「な、何で、手を...?」
「いや、迷うと大変じゃん」
その通りではあるが、
留理は顔がぽっと赤くなった。
「あれ?もしかしてハズい?」
「い、いや、そんなことは...」
留理はあわてて首を振った。
「じゃ、どんどん行こう」
この時、佳夢と留理は気づいてなかったが、
二人の近くを愛子たちがすれ違ったのだった。
「...」
愛子は気づいて振り返る。
それにつられ、夏子と美沙もそちらを向く。
「あれ?佳夢君じゃない?」
美沙がすぐに気付く。
夏子もポンと手を叩き、
「確かに佳夢だ」と言う。
愛子は、もちろん分かってはいたが、
言葉が出なかった。
「女の子と手つないでるー」
「ほほう。他校の彼女かなー?」
「ええー?まさか?」
「どうする?尾行する?」
盛り上がる二人をよそに、
愛子は呆然としていた。
黒々とした感情が、
胸の中で渦を巻き始めた。
「なぁ、愛子。どうする?」
夏子から呼ばれてハッとする。
しかし、気持ちは戻らない。
まだ落ち着かず、焦り気味に
「いや、いいよ」と答える。
「ええー。しようよー、尾行」
「よ、良くないじゃん。そういうの」
「そーだね。愛子が言うんじゃ、しょうがない。」
「仕方ないなー」
二人は納得して、
また前を向いて歩き出す。
愛子は一人、
もやもやとした気持ちを、
どうにか落ち着けようとしていた。
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