複雑・ファジー小説

Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.253 )
日時: 2013/02/02 23:06
名前: 純金リップ (ID: 5Yz4IUWQ)
参照: タタネさんは「こちら超能力学園戦闘委員会」にもでてるよ!

その頃佳夢は、
光の新居だという
一軒家の前まで来ていた。

だが、一軒家の前に、
人の姿が見えた。
光の家のインターホンを、
執拗に押していた。

「なんだ、あの人?」
「さぁ、ファンの人じゃねえのか?」
「うえっ、もうばれたか...?」
用心しながら、
車で近づいてみる。
しかし、すぐそこに行くと、
見たことある人物のような気がした。

オープンカーから降りて、
その肩を叩く。
「ん、なんだ。佳夢じゃないか」
振り返ってみると、
やはり知っている顔だ。
「何してるんすか、タタネさん」

タタネ
女。十八歳。大学生。高祖の玄孫。魚座のO型。
本名、但馬 種理。今年こなしてきた暗殺業、三十件。
一族きっての能力奪い兼能力開花。

タタネは結構遠い親戚で、
佳夢との血のつながりはかなり薄い。
いつもスーツに身を包んでいて、
ミステリアスなところがある。
噂では、高校では生徒会長をしていたとか。
それも、去年までだが。

「何をしてるって...だから、光の家を訪ねてきたんだ」
「なんでまた...」
「いや、実は前住んでいた場所を追い出されて」
「...」
何故、このタイミングで追い出されるのか。
まぁ、タタネの性格を考えれば、
追い出されても仕方ないが。

「なんだ、タタネちゃんじゃん」
後ろから、オープンカーを止めてきた光が、
こちらに近づいてくる。
一見すると女なので、
美女が二人並んでる図にも見える。
「こんにちは。何か用?」

外にいるのも何なので、
光の新居へと、佳夢達は入った。
中は白を基調とした綺麗な家で、
とてもさわやかな感じがする。

「まだ片づけて切れてないけど、ごめんね」
そうは言うものの、残ってるのは段ボール二、三個だ。
佳夢達は、綺麗な赤いテーブルで、
タタネの話を聞いていた。

「で、追い出されたから、取りあえずここに泊めてほしい」
堂々と言ったタタネに、
佳夢は呆れて、光は不思議に思って、
黙り込んでしまう。
「いや、いいんだけど...。ここ、男の部屋だよ?」
「お前だったら何もできないだろう」
「うわっ、男としてのプライドが...」
「じゃあ、なにかするのか?」
「いえ、できません...」
それに関しては佳夢も同意だ。
タタネに手を出すくらいなら手首を切ったほうがマシだ、
と佳夢は思っている。

「そうだ、タタネさん」
ふと思いついて、佳夢は口を開く。
「アレ、久々に見せてよ」
タタネは顔をしかめる。
光だけ状況が分かってない様で、首をかしげる。
「...アレ、って?」

「仕方ない...」
タタネはため息をついて、姿勢を正す。
「光、『叩いて被ってじゃんけんぽん』をやろう」
「え?いいよ?でも、ヘルメットとかは?」
「手でやれ、手で」
理不尽な、と思いつつも、
光は反射神経には自信があるので、
余裕の態度で臨む。

「じゃんけんぽん!」
二人が掛け声と同時に手を出した。
光がグーで、タタネがパー。
これはタタネの勝ちなので、
光は即座に頭部を両手で覆う。

光は勝利は確信したが、
次の瞬間、頭部に強い衝撃が走った。
「いてっ!!」
素直に感想が口から漏れ出し、
光は頭部を押えてふさぎ込む。

「これで満足か?佳夢」
「やっぱすごいすね、それ」
二人だけで盛り上がるので、
光は何が何だかわからなった。
「い、今のどういうこと?僕の方が先に防御してたよね?」
タタネは不思議そうにしている光に、説明する。
「これが、私の‘超能力’なんだ」