複雑・ファジー小説

Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.264 )
日時: 2013/02/06 23:24
名前: 純金リップ (ID: 5Yz4IUWQ)

そんな過去の事があって、
佳夢はタタネを苦手としている。
勿論、今も。
タタネ自身はあまり気にしていないらしいが。

「そういえば、一つ聞いていいですか。タタネさん」
「ああ?なんだ」
「タタネさんが言ってた、超能力者を育てる高校。
あれ、どんなところだったんですか?」
ふと、タタネは視線を逸らす。
答えづらい事でも聞いたのかと、
佳夢は思った。

「...別に。生徒も先生も普通のやつばっかりだったな」
意外な答えではあるが、
タタネの態度からして嘘とも判断できる。
佳夢は、何かを隠してるようなタタネを、
横目でとらえていた。
光も、タタネの様子に気付き、
それでも、深入りはしなかった。

「ああ、でも、あいつは異常だったな...」
「あいつ?」
タタネは頷いて、
何かを思い出そうとして唸る。
「確か...、有矢、とか言ったかな?」
そう言われたって佳夢達はピンとこない。
遠く離れた高校の生徒など知ったことじゃない。

「あいつはどう考えても頭おかしかったな」
「その人も超能力者なんですか?」
「そうだよ。てか、全員そうだっつってんだろ」
ややキレ気味に、タタネは答えた。
「そんな高校があるなんてね...」
信じられないように光が言う。
それは佳夢も同じで、そんな場所の存在は認めたくない。
「あ、コレ他の人に言うなよ。国家機密だから」
「じゃあ、俺たちに言うなよ!」



とりあえずタタネを光に預け、
佳夢は帆花に迎えてもらい、
家へと帰ったのであった。

「おかえりなさい、佳夢兄さん」
出迎えたのは、菜夢出会った。
「どこへ行ってたの?」
「光の家だよ。あと、タタネさんにも会ってきた」
「ふうん...」
どうでもよさそうに相槌を打ちながら、
菜夢は佳夢をまじまじと見つめる。

「...なんだよ」
「別に。ただ、佳夢兄さんでも女の人からモテるのね、って思って」
「はあ?何言ってるんだお前」
「そういえば、咲さんが来ていたわよ
菜夢は急激に話を逸らす。
だが、佳夢は逸らした先の話の方が気になった。
「え?咲が?」
「佳夢兄さんに話があるんですって」

取りあえず佳夢は、
咲が使っているという、
元・陣呉の部屋へ行ったのだが、
どうもそこにはいなかった。
なので、適当に家の中を探してみることにした。

「あっ...」
その途中、佳夢は自室の前で、
愛子と会ったのだった。
「ん、よう。押崖」
「え、ええっと...、よ、よう」
「なんでお前まで男口調なんだよ」

いつもと様子の違う愛子に、
佳夢は違和感を感じる。
「なんだ?熱でもあんのか?」
一歩近づいて、手を差し伸べると、
愛子は拒絶するように身を震わせた。

「...すまん」
佳夢は思わず謝ってしまい、
愛子もそれでハッとする。
「あ、いや、こっちもゴメンね...」
「お前、なんか最近——」

佳夢の言葉を遮るように、
廊下を駆ける足音が聞こえてきた。
佳夢はそれを聞いてふりかえる。
「よっしむくーん!!!」
「うおっ!?」
その瞬間、何かが飛び込んできて、
佳夢を抱きしめる。

柔らかい感触が佳夢の側面を覆い、
抱き着いてきたのは女だと、佳夢は気づく。
後ろで愛子は呆然といていて、
佳夢もある程度加減して抵抗する。
「うわっ」
佳夢はソレを体から引っぺがして、
その人物が誰かを確認する。

「いてて...」
「えっ、お前、咲じゃねえか!」
廊下に倒れていたのは、
佳夢が探していた、咲であった。