複雑・ファジー小説

Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.271 )
日時: 2013/02/09 23:48
名前: 純金リップ (ID: J1W6A8bP)
参照: 沖縄から更新中!

「〜っ!」
叫びたい気持ちを抑えながら、
愛子は廊下をひたすら進む。

——なんなの、もう!
愛子が自らの気持ちに気付いてからというものの、
佳夢は沢山の女子と、関わり始めた。
まるで、愛子に見せつけるかのよう。
勿論、誰にも悪意はないのだが、
仕組まれたかのようなタイミングに、
愛子は少し、腹を立てていた。

曲がり角を曲がろうとすると、
そこから菜夢が出てきたので、
愛子は足を止めた。
「あら、愛子さん」
菜夢に名前を呼ばれて、
何故か涙があふれてきた。
「えっ、何...?」

「ううううう、菜夢ちゃん...」
「な、泣かないで、愛子さん
琥珀。緊急会議よ」
遠くにいた琥珀を呼んで、
菜夢は愛子を昼に雑談していた
場所へと連れて行く。


「また佳夢さんは愛子さん困らしてるの?」
「そうなのよ。困った兄だわ」
呆れたような表情の琥珀と菜夢。
愛子は泣きやんで、目が赤くなっていた。

愛子は何一つ隠さず、
自分の気持ちを、二人に話した。
二人は、やはりというような表情をしていた。
さほど驚きもせず、
むしろ、愛子がそれを話したことに驚いた。

「...ま、予想通りだね」
琥珀が両手を広げて言った。
「そうね。意外性がないわ」
菜夢も同意して、
頷きながら言う。

愛子は話した後で少し恥ずかしくなり、
顔を赤らめ、机に突っ伏せる。
「心配することはないわ愛子さん」
菜夢が愛子を励ますように言う。
「咲さんは陣呉さんとフラグを建ててるから、
佳夢兄さんとはありえないもの」
「何の話?」

そこからは、愛子への質問タイムとなっていた。
まず、琥珀が目を輝かせて聞いた。
「ねえねえ、いつから好きだった?」
「えっ...」
愛子が考えてる間に、琥珀が自分の推測を言う。
「あれでしょ。もう自殺止められた時からでしょ?
地上には落ちず、恋に落ちたって感じ?」
「違うよ...、あとあんまりうまくない」

ハッキリ言われ琥珀がうなだれている間に、
菜夢がすかさず次の質問をする。
「どこが好きなの?」
「ど、どこがって...」
「あの兄の美点といえば...、
そうね、私としてはちょっと美形なとこぐらいかしら」
「そんな事ないんじゃないかな...」
「じゃあどこ?」

愛子は恥ずかしそうに顔をそむけて、
「...優しいところ」
と小さい声で言う。
「そうかしら?」
「全然優しくないよー」
本当は二人は佳夢の優しさを知っていたが、
親戚なので、あまり肯定したくなかった。