複雑・ファジー小説
- Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.272 )
- 日時: 2013/02/10 00:45
- 名前: 純金リップ (ID: J1W6A8bP)
- 参照: 沖縄から更新中!
「でも——愛子さん」
色々と質問をした後、
菜夢は雰囲気を変えた。
「好きなら、早く告白した方がいいわよ」
愛子はきょとんとする。
まさか菜夢からそんなことを言われるとは
思いもしなかった。
「佳夢兄さんも、少なからずは
愛子さんに好意を持ってるはずだわ」
「え、えぇ?そんなこと...」
本当は佳夢も愛子の事が好きだと菜夢は知っていたが、
あえて、言わなかった。
「冗談抜きよ。でも、早く告ったほうがいいのも事実。
ほら、善は急げっていうじゃない」
すらすらと慣れたような口調で、
愛子にアドバイスする菜夢は、
まるで、銀座の母のようだ。
「う、うん...。頑張るよ、菜夢ちゃん、琥珀ちゃん」
「その意気よ、愛子さん」
「わあ!これで愛子さんが正式に家族に!」
琥珀が嬉しそうに言う。
「それは気が早いんじゃないかしら」
案外そうでもないことを知ってながら、
菜夢は琥珀に言った。
部屋を出て、愛子はすっきりした気分で、
廊下を歩いていた。
今からでも佳夢にあってもいいが、
しかし、咲がいたので遠慮する。
いつ、佳夢にこの気持ちを打ち明けようか。
次、会ったときだろうか。
そうしよう、絶対。
そんなことを心の中で決め、
ふと、窓の外を見る。
すると、塀を越えて、
中に入ろうとする怪しげな男が目に入った。
スーツを着ていて、一見普通のサラリーマンにも見える。
しかし、頑張って侵入しようとする
その姿は怪しい限りであった。
「よっと!」
塀から降りて、男は鎌奈家の庭に着地した。
「ふう。なんとか侵入成功だな...」
男が首を曲げた瞬間、
こちらと目があった。
「...」
「...」
互いに黙り込み、
男の動きが固まる。
「や、やあお嬢さん」
先に口を開いたのは男の方だった。
そして、震えた声で続ける。
「えっ、えっと、サンタクロースだよお」
「佳夢くーん!不審者!」
早くも愛子の胸に秘めた誓いは
破られそうであった。