複雑・ファジー小説

Re: 【オリキャラ募集中!】鎌奈家の一族【是非見てね!】 ( No.273 )
日時: 2013/02/14 23:42
名前: 純金リップ (ID: 5Yz4IUWQ)

おまけ
(本編とは関係ないし、リア充爆発せよ!)
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2月14日は、
鎌奈佳夢にとって忌々しい日である。
もちろん、貰えることは貰えるが、
全部親族からなので、
素直に嬉しいとは言えない。

「だからそれを俺にわけろ」
「嫌だよ...」
チョコを大量に抱えた光に、
佳夢は手を差し出す。
「いいから、はやく」
「あげないってば!」

チョコを庇うようにして、
光は走り出した。
「あ!待て!」
佳夢も光を追って走り出す。
「少しぐらい分けろ!女みたいな容姿しやがって!」
「これファンの子からだから!駄目!」

光に逃げられて、
しぶしぶ諦めた佳夢は、
菜夢のところへと行った。

「チョコくれ妹よ」
「ないわよ」
「...え?」
意外な返答に、佳夢は絶句する。
「ん?あれ?俺の聞き間違い?」
「ごめんなさい。今年は用意できなかったのよ」
「嘘だろお前...」

うなだれる佳夢に、
菜夢は握りしめた拳を差し出す。
「手、出して」
「ん?あ、なんだ、結局くれるんじゃん」
佳夢は喜んで、
手を広げて差し出す。
「お前って奴は、素直じゃないよ——」
佳夢の置かれたのは、百円玉二枚だった。
「明治のミルクチョコレートくらい買えるんじゃない?」
「お前って奴は...」

その後、真夢からは受け取り、
色々な人からチョコをもらった佳夢は、
先程の光と同じくらいの量のチョコを持っていたが、
こうしてる間にも、光のチョコは増えている。

そして、最後に佳夢があったのは——
「佳夢クン!チョコいる?」
「あ、いえ。間に合ってます」
「...あれ?おかしいな...」
鎌奈彩奇、二十五歳、独身である。

「い、いらないの?」
「いえ。なんというか、言い方が...」
「言い方の問題!?」
「そうですよ。それでは僕が欲しがってるみたいじゃないですか」
「あ、ああ〜...。なるほどね。
つまりはこっちが受け取ってもらいたさそうに言うわけね?」
「そうです」

後頭部を掻きながら、彩奇はため息を掻く。
そして姿勢を正し、恥ずかしそうに顔を赤らめながら、
チョコを持った手を差し出してくる。
「ぼ、僕のチョコ、受け取ってください...」
「はい」
佳夢はチョコを受け取り、
大事そうに手に抱える。
「佳夢クン」
「はい?」
「ハッピーバレンタイン、だね」
「そうですね」







うああああああああああああああああああああああああああああああ!
これほど書いてて悲しくなったのは初めてだ!
今年も一個ももらえなかったのに!
みなさん、ハッピーバレンタイン。

ちなみに、時間軸的には、前日譚よりも前です。
なので、愛子がいません。
愛子と佳夢の話を期待してた人、すいません。
いや多分、いないと思うんですけど...。